7月6日、東急田園都市線二子玉川駅のホームで女性のスカートの中を盗撮したとして書類送検された田代まさし(58)。
田代といえば覚せい剤取締法違反での度重なる逮捕の記憶が強いが、覚せい剤だけでなく、盗撮も再犯だ。2000年に都内の駅構内で女性の下着を盗撮しようとした疑いで書類送検されている。
2度の服役を経て2014年7月に出所したのちは、薬物依存者を支援する団体に所属し、リハビリの傍らスタッフとして働き、講演もこなしてきた。
盗撮事件直前の7月1日、法務省などによる『立ち直りフォーラム』の講演では「生き方は変えられる」と更生をアピールしたが、そこではこんな驚きの発言をしていた。
「ASKAはまだお金をたくさん持っている。待っててくれる家族がいる。僕はお金も家族も全てなくして、何回も刑務所に入ってやっと気づくことができた。だからちょっとまだ彼、心配だなと考えているんです」
覚せい剤取締法違反で昨年逮捕された歌手・ASKA(57)の再犯を心配したのだが、自分の心配をするべきだった。
田代はなぜ盗撮を繰り返してしまったのか。盗撮・痴漢の改善相談を100件以上請け負ってきた「カウンセリングオフィスAXIA」代表の衣川竜也氏はこう分析する。
「薬物と盗撮は依存症ではありますが、異なる欲求から来ているので別に治療をするべきです。
専門用語で『優勢反応』と言いますが、本音を隠して建前を強くすればするほど、抑え込んでいる本音も強くなってしまう。講演では『僕はまだ更生の途中だ』といっていましたが、公の場に出るのはまだ早かった。そうした立場では“良いこと”を喋らなくてはならなくなる。
本音と建前の間に大きなギャップが生じてしまうんです。本音を深く掘り下げながら改善を目指す機会が必要だったのではないでしょうか」
田代は講演で「ASKAのいない隙に『CHAGE andマーシー』でデビューしようかな」なんて軽口を飛ばしていたが、“デビュー計画”は幻と消えた。
※週刊ポスト2015年7月31日号