ビジネス

【日本株週間見通し】日米決算本格化 年初来高値も射程圏に

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の7月13日~7月17日の動きを振り返りつつ、7月21日~7月24日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。5日続伸で上げ幅は800円を超え、チャイナ・ショック、ギリシャ不安で急落した部分を吸収した。中国については当局のなりふり構わない株価対策の効果が表れたほか、ギリシャについては、ギリシャが改革案の内容を今月15日までに法制化することなどが伝えられ、週明けの日経平均は300円を超える上昇から始まった。

 その後もユーロ圏首脳会議で、ギリシャが財政改革を確実に実行することを条件に、金融支援交渉を始めることで合意など、不安材料が後退するなか、リバウンド基調が強まった。もっとも、買い先行後は狭いレンジ内での取引が続いており、週末の日経平均については50円弱のこう着だった。

 日経平均は順調なリバウンドを続けており、6月24日につけた年初来高値20952.71円が射程に入ってきている。ギリシャ問題は長期化するとはいえ、一先ず支援協議に立ったことで、金融不安は後退している。また、中国についても様々な規制や空売りに対する調査といった締め付けなどもあり、落ち着きをみせてきている。依然として売買停止企業などから金融市場の正常化には時間を要するとみられるが、今回のクラッシュ後の切り返しを見る限り、相対的に安定している日本株市場に対する押し目買い意欲は強いだろう。

 今週は日米ともに決算発表が本格化する。今のところ米国では好調な滑り出しとなっており、支援材料として期待される。自社株買いなどの動きも再び意識されてくることになりそうだ。一方で、ギリシャや中国の動揺を受けて、慎重な見通しなどが出される可能性もある。コンセンサスを下回るようだと、利益確定につながりやすく、全体としては見極めムードが強まりそうだ。

 また、イエレンFRB議長は先週行われた議会証言において、年内利上げへの見解を示している。地区連銀経済報告(ベージュブック)で景気拡大が示されたことをきっかけに、早期利上げ観測なども高まってきている。一部調査では、利上げ開始時期を9月と予想したエコノミストが8割に達しているようである。日本の大規模な緩和政策の一方で、米国に利上げ開始時期への思惑から、円相場は円安に振れやすくなっている。日経平均が年初来高値を射程に入れるなか、円安基調が強まるようだと、先高期待が一段と高まりやすいだろう。

 その他、7月24日からアメリカ・ハワイで環太平洋経済連携協定(TPP)の首席交渉官会合が開かれる。甘利明TPP担当相は先月、7月中の合意は可能との見解を示している。課題は山積みながらも進展が見られれば、相場全体の支援材料になるだろう。

関連キーワード

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
工藤遥加(左)の初優勝を支えた父・公康氏(時事通信フォト)
女子ゴルフ・工藤遥加、15年目の初優勝を支えた父子鷹 「勝ち方を教えてほしい」と父・工藤公康に頭を下げて、指導を受けたことも
週刊ポスト
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン