2015年のプロ野球セ・リーグは、野球評論家泣かせのシーズンとなりそうだ。オールスター戦を前にして、勝率5割に達しているのは1位の横浜DeNAベイスターズのみで、1位から6位までのゲーム差は4しか開いていない。後半戦スタートを機に、広澤克実氏にあらためて「修正順位予想」をお願いした。
●開幕前予想
【1位】広島、【2位】阪神、【3位】巨人、【4位】ヤクルト、【5位】横浜、【6位】中日
●修正順位予想
【1位】阪神、【2位】巨人、【3位】広島、【4位】ヤクルト、【5位】横浜、【6位】中日
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こうなった以上はもう直感です。1位から阪神、巨人、広島としました。
思ったほど広島が上がってこなかった理由は、菊池涼介や田中広輔といった若手が期待したほど伸びなかったから。黒田博樹加入の相乗効果も大したことはなかった。むしろ昨年より戦力ダウンしている印象がある。問題はもちろん監督の手腕にあります。緒方耕一監督がチームを把握しきれずに、戦力を持て余している感があります。
6球団に共通するのは決め手がないこと。決め手になるのは各チームのエースの力です。阪神にはしっかりした2人がいるが、巨人は菅野智之、ヤクルトは小川泰弘、横浜も井納翔一くらいと、いずれも不安定。上位を争うチームでは、阪神が抜け出してくると見ています。
修正案では巨人を2位にしましたが、広島が落ちたからという消極的な理由です。いまの巨人は個性がなくなった。フォア・ザ・チームもいいが、1番から9番までが送りバントする打線には4番という軸がない。意外性やビッグイニングがくるといった面白い野球ができなくなっています。
そして前半奮戦した横浜は野球が雑。これだけ雑だと失点が多くなり、投手陣と野手の間の信頼関係を損なってしまう。この点を改善しないと、優勝を狙えるチームにはなれません。
※週刊ポスト2015年7月31日号