“100年にひとりの怪物”と称される、逸ノ城(22才)。 白鵬も一目を置くモンゴル人力士にして、史上初の遊牧民出身力士だ。
彼が育ったアルハンガイ県は、首都ウランバートルから約450km西の大草原が広がる。移動しながらのゲル(テント)暮らしのため、「帰省すると実家の場所が変わっている」という。逸ノ城は400頭以上いる家畜たちの世話をしながら、毎日10リットルのバケツを2個ぶら下げて、約1km離れた川から水を運んでいた。
「8才の時にテレビで日本の大相撲を見ました。朝青龍関が横綱で、白鵬関がグイグイと昇進している時期で、“うわぁ、スゴいな”と思った。でもお相撲さんになろうとは考えず、ウランバートルの体育学校で柔道をしていました」(逸ノ城)
体重132kg、身長188cmと“有望株”だった逸ノ城は、視察に訪れた鳥取城北高校相撲部の石浦外喜義監督の目に留まり、同校へ相撲留学。新大関の照ノ富士とは同じ飛行機で来日し、高校の寮まで同じだった。
※女性セブン2015年7月30日・8月6日号