甲子園出場を目指して全国各地で地方予選が繰り広げられている中、1人のスーパー球児に熱視線が注がれている。
「高校で何の実績もない1年生をこれほどマークした記憶はありません。あるテレビ局は練習試合に複数の取材クルーを出し、ある新聞社は早実に担当記者を置いているほど」(スポーツ紙記者)
その黄金ルーキーとは、早稲田実業(西東京)の清宮幸太郎選手(16)だ。父は今年、ラグビーの日本選手権でヤマハを初優勝に導いた清宮克幸監督(元早大ラグビー部監督)で、シニア時代から父を超える体躯で注目されていた。
阪神の掛布雅之・打撃コーディネーターも「すでに清原や松井クラス。日本の野球の規格外」と絶賛する。
「予選前の練習試合でも特大3ランを含む4打数3安打の大暴れ。すでに練習試合を含め13本のホームランを量産しているんですが、本人は“少ない”と不満顔です。“甲子園予選では1試合1本打ちたい”と意気込んでいます。
最近は殺到する報道陣のあしらい方も覚えて、早くも大物感を漂わせています」(前出・スポーツ紙記者)
普段は注目されない4月の春季大会でも清宮が出場した試合では5000人を超す観客と、取材陣約50人が集まった。
フィーバーはさらに過熱する。7月16日に組まれた西東京予選の初戦前には、殺到する取材に対して高野連から、「試合後に清宮単独の取材機会を設ける」という通達が出た。
「個別の取材対応は“大ちゃんフィーバー”を巻き起こした早実の先輩・荒木大輔以来のこと。しかも、荒木の場合は甲子園で実績を残した後ですから、清宮の注目度は松井や清原よりはるかに高い」(ベテランスポーツライター)
甲子園出場が決まれば、大ブームは間違いない。
※週刊ポスト2015年7月31日号