最近、「韓国の2ちゃんねる」といわれるインターネット掲示板「イルベ」では、韓国の中国依存の是非について活発な論争が展開されている。賛成する者、反対する者、なぜか日本についても言及する者など様々だ。
確かに、最近の韓国の中国依存は異常なほどだ。特に経済面での結びつきは、ますます強固になっている。
韓国が中国と国交を樹立した1992年当時の中国との貿易額(輸出入の合計額)は50億ドルだった。長年の間、韓国の貿易額ランキングでは、トップが米国で2位が日本だったが、2004年に対中国が900億ドルに達してトップになり、2013年には2500億ドルに迫ろうとしている。わずか20年で貿易額が50倍にも達し、日本と米国を足した額をも上回る。韓国経済は、もはや中国抜きで語れなくなっている。
そんな状況下、韓国の保守系の最大手紙、中央日報(2014年12月17日付)は、「『中国のおかげ』、そして『中国のせい』」と題したコラムを掲載した。韓国は中国人観光客の激増で、ソウル市内の化粧品店やホテルの売り上げが大幅に増加するなど経済的な恩恵を受けている。
その反面、〈韓国の10大輸出品目を8産業で再構成して、世界市場の占有率を基準として比較してみたところ、何と6産業で中国が韓国を追い抜いたことが分かった〉という。追い抜かれたのは、スマートフォン、自動車、石油化学、造船、鉄鋼、精油の6分野。
つまり、もはや韓国は中国に太刀打ちできず、経済的に依存しなければ生きていけない。しかし、同時にそれは隷属への道でもあり、韓国が抱えるジレンマが現われている。
※週刊ポスト2015年7月31日号