7月17日にスタートしたテレビ東京系『金曜8時のドラマ「僕らプレイボーイズ 熟年探偵社」』(毎週金曜日午後7時58分~)は、高橋克実、石田純一、笹野高史、角野卓造、伊東四朗という5人のおじさん探偵が活躍する作品だ。同じ放送枠で放送された『三匹のおっさん』も人気となっていたが、テレビ東京が“おじさんドラマ”を送り出すのはどうしてなのだろうか? 『僕らプレイボーイズ 熟年探偵社』のプロデューサー・中川順平さんに話を聞いた。
──苦戦を強いられているテレビ業界の中で、テレビ東京が好調だと言われています。特に『僕らプレイボーイズ 熟年探偵社』が放送される金曜8時枠や深夜帯のドラマ24など、ドラマが高い評価を受けています。
中川:テレビ東京の場合は、局自体にお金があまりなくて、制作費も本当に安いんですよ(笑い)。その中で、他局と競り合っていくとなると、企画やアイディアの部分で、ちょっと普通と違うひねりを加えるしかないというのはありますね。それはひとつの「テレ東イズム」みたいなものなんだと思います。
ドラマなら深夜にしても金曜8時にしても、他局が狙っているのとは違うターゲットを掘り起こそう、狙おうという部分はあります。そのあたりが面白がられているのかもしれないですけど。
──違うターゲットというと?
中川:金曜8時でいうと、ほぼF3(50才以上の女性)といいますか、中高年の方にターゲットを絞って、その方たちにちゃんと見ていただけるようなものを作りたいと思っていますね。
──中高年にターゲットを絞ろうということになったのは、どういうタイミングで?
中川:そもそも他局があまりドラマを放送していない8時台にドラマをやるわけですから。この時間帯に家にいる人ということで、少なからずターゲットが絞られますよね。金曜8時の枠は2年くらい前に始まったんですが、その当時から意識はしていました。
──『僕らプレイボーイズ 熟年探偵社』の原案は小説『還暦探偵』(新潮文庫刊『通夜の情事』所収)ですが、この作品をドラマ化しようと思ったのはどうしてですか?
中川:中高年世代の方々が思いっきり活躍するドラマが数少ないからこそ、いま、求められているのではないか、という考えがありました。また以前から、高橋克実さんを主役としてこの枠にお迎えしたいという思いがあり、克実さんのキャラクターを生かせる作品ということで、『還暦探偵』にしました。おじさんが主役の作品は、今後もやっていきたいと思います。
──ドラマの見どころは?
中川:熟年離婚とか、健康とか、定年後の人生とか、中高年の人にとって身近に感じている問題を取り上げているということが見どころだと思いますね。あとは、日本を代表するような名優たちにお集まりいただいておりますので、その方たちのアンサンブルもぜひともご覧いただきたいです。5人の探偵が揃うのは主に探偵事務所のシーンなんですけど、揃うと、誰かが台本にないことを仕掛けるんです。そんなアドリブのキャッチボールも本当に面白いし、見応えがありますね。
そして、5人の探偵がとにかくかわいいんですよ。還暦を過ぎたオジサン特有のチャーミングさを味わえると思うので、家族で是非とも楽しんでほしいです。