見ざる3年、聞かざる3年、言わざる3年。
男尊女卑社会の韓国で、新婚女性の立場を示す言葉である。要するに9年は夫や姑に尽くすということ。そんな三歩後ろに下がって男性を立てることを義務づけられた韓国女性が来日して驚くのが日本男性の姿勢だ。
「あなたはあなた、私は私、とパートナーを尊重してくれるのが日本男性。韓国の男性みたいな束縛もありません」
と、来日2年の韓国女性(27歳、飲食店勤務)は言う。
「韓国にいたときは、朝起きたら彼氏にメールで『おはよう』って送るのが決まり。その日の予定は朝に全て伝えて、寝る前には、必ず電話。交際当初はいいけど、半年もすると億劫でしょうがない」
現在、付き合ってるのは、3つ上の日本人男性だという。
「私のこと、信じてくれてるから、細かくスケジュールを聞かれない。今晩はエステだから会えないよって言うと、『綺麗になってきてね!』と優しい返事が返ってくるの。韓国男性だと、『そんなことより俺とご飯』。断ろうものなら『俺とどっちが大事なの』ってなるのがオチです」
ドラマの世界では、非の打ち所のない韓流男子も、実は韓国女性からは評判が悪い。
「韓国の男はとてもロマンチックで、付き合って100日記念にはバラの花、200日にはアクセサリー。でも、結婚後は本当に冷たくて、あの頃を宝物にして生きてる日々です」と韓国女性(22歳)。日本人男性と交際経験のある韓国女性(31歳)も語る。
「韓国男性はできないことも『できる』って。ギブアップを認めるのは格好悪いって思ってるのかな。でも、私と一緒のときは、見栄を張らないでほしいのに。日本男性は、そのあたりのんびりしてる。日本人の元彼は、イケメンでもなく真面目だけが取り柄。でも自分に自信を持っていた。やっぱり中身が大事よ」
シャイで口下手な日本男子に業を煮やす日本女性は多い。
だが、“オラオラ”に疲れた韓国女性から見れば、それが誠実さに捉えられるようだ。
※SAPIO2015年8月号