芸能

共演者・池田教授が分析「マツコ売れ」の理由は判官びいき

マツコが絶賛すると瞬く間に商品が売れる「マツコ売れ」

 テレビなどでマツコ・デラックスが褒めた商品がヒットする現象を「マツコ売れ」と呼ぶという。8億円の経済効果があるともいわれる。あんなに普段から毒を吐いているマツコなのに、どうしてそこまで影響力があるのだろうか? フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』で共演している早稲田大学教授で生物学者の池田清彦氏に「マツコ売れ」を分析してもらった。

──「マツコ売れ」という言葉がありますが、どうしてマツコさんが褒めると、他の人が褒めた時よりも売れるのでしょうか?

池田:基本的に、マツコさんは悪口を言うキャラなんだよね。いつもいいことしか言わない人が「これがおいしい」って言っても、視聴者はお世辞だと思う。でも、お世辞を言わないマツコさんが褒めるとなると、信憑性も高くなる。あとは、あれだけ太っているとおいしいものをたくさん知ってるんじゃないかっていうイメージも強い。そんなマツコさんが褒めるんだから、「どんだけおいしいの?」ってなるんだろうね。

──特にマツコさんはスイーツが好きだということもあって、若い女性に対して「マツコ売れ」することが多いようです。

池田:マツコさんって、やっぱり特殊なキャラクターなんだよね。セクシャリティー的にもいわばマイノリティーなんだけど、ここまでテレビで売れているっていうのは本当に珍しい。女性っていうのは、まだまだ今の日本の社会ではマイノリティーなんだよね。やっぱり会社の偉い男性なんかに比べたら、20代から40代くらいの主婦は「割りを食っている」みたいな状況があるわけだ。そんななか、マイノリティーなのに、あそこまで売れているマツコさんっていうのは、若い女性たちにとっては、憧れでもあるし、応援したくなる存在なんだと思う。“マジョリティーに食い込んでいるマイノリティー”に対する“判官びいき”みたいな面もあるんだろうね。

──なるほど。

池田:悪口を言ってても、最終的にはその相手を配慮しているところが見えるでしょ。そういう点も好感が持てるんだろうね。あとは、悪口の加減が絶妙っていうのもあるかも。あんまり言い過ぎると干されちゃうけど、そこまでヘンなことは言わない。ぼくも『ホンマでっか!?TV』で言いたいことを言い過ぎてカットされることもあるからね。

──なんというか、マツコさんはバランス感覚に優れているという印象ですね。

池田:褒めるにしても媚を売ったり、ゴマをすったりするわけではない。どんな人に対しても対等につきあっている。たとえば、マツコさんは『ホンマでっか!?TV』でもさんまさんと対等に話している。かといってリスペクトをしていないわけではない。若い人からすると、芸能界の大御所とそんなに簡単に話せるものではないけど、マツコさんは相手を敬いつつ、ちゃんと話ができる。そういう姿を見て、視聴者は「すごいな」って思うんだろうね。

 案外マツコさんは、テレビに出て、脚光を浴びるっていうのが嫌いじゃないんだろうね。言いたいことを言って売れてるんだから、ストレスもあんまりなさそう。

──たしかに番組でのマツコさんは楽しそうですよね。

池田:(テレビに出るのが)必ずしも大好きではないかもしれないけど、少なくとも嫌ではないんだろうな。マツコさんくらいになると、なかなか外をブラブラ散歩することもできないでしょ。休みの時は家にいるしかなくなるし、息抜きをすることもできなくなる。そうなったら、テレビに出ることを楽しむのがいちばん。マツコさんはそれができてるんだろうね。楽しいなら飽きないだろうから、人気も続くんだと思う。

関連記事

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン