ピース・又吉直樹の芥川受賞で、さまざまな業界が特需に沸いているが、その恩恵は“又吉関連芸人”にも及んでいる。
「又吉に関するエピソードを聞こうと、又吉を知る芸人のもとには新聞、雑誌、テレビから仕事や取材依頼が殺到していますよ。『火花』が話題になってからもそうですが、受賞以降、さらに増えています」(お笑い事務所関係者)
よく知られているのは、又吉と同居しているパンサーの向井慧、ジューシーズの児玉智洋だ。さっそく受賞4日後のイベントに、ゲストとして呼ばれ、「今日の朝も洗面所で会ったけど、緊張感は増した」(向井)と、又吉の最新エピソードを披露してみせた。
「今、ワイドショーでは芸能デスクが現場スタッフに“又吉のことを何でもいいから質問してこい!”と厳命しているんです。とくに芸人が登場するイベントでは又吉の芥川賞受賞というネタは外せない話題で、ゲストが又吉と旧知の芸人ならなおさらです」(ワイドショー関係者)
7月22日のイベントでは、『火花』の帯にコメントを寄せた千原ジュニアに、又吉に関する質問が飛んだ。ジュニアは「増刷されていて、逆に足を引っ張るから『俺の帯を外せ』って言ったんですけど」としっかり“ネタ”にして取材陣を喜ばせた。
そして、作家・又吉のブレイクとともに注目を集めているのが、同級生芸人・キャラバンの難波麻人だ。
難波は又吉と中学時代に同じサッカー部で汗を流した仲。あるインタビューでは「部活で真剣に練習中、ソフトボール部のボールがまったん(又吉のこと)のところに飛んできたんです。“すみませ~ん!”と女子がボールをとりにきたら、『向こうでやれや!』と激昂」したと、又吉の意外な体育会系ぶりを明かした。又吉のことを20年ほど前から知っているからこそ言えるエピソードだ。
もうひとりいる。烏龍パークの橋本武志は、『火花』発売以降、知名度がもっとも上昇した芸人のひとりと言えるのではないだろうか。
橋本は『火花』に登場する先輩芸人・神谷のモデルではないかと噂される人物。本人は「ぼくはモデルじゃない」と否定しているが、橋本と神谷の共通点はかなり多く、『火花』発表以降、ネット上では橋本の名前が検索ワードとして急上昇。又吉の芥川賞受賞直前、彼のもとにはテレビやスポーツ紙、一般紙までがコメントを求めたほどだった。
「これだけ周囲が遠慮なくしゃべれるのは、又吉の人柄もある。この手の取材の場合、『本人の許可がないとしゃべれない』と口が重くなるタレントもいるが、又吉の場合、“いくらでもしゃべってもらってかまわない”というスタンスですから。とくに後輩芸人に対しては、それで仕事につながるなら、と又吉も喜んでいるはずですよ」(テレビ局関係者)