ビジネス

異物混入から復活のペヤング マクドナルドと何が違ったのか

復活後は絶好調のペヤングソースやきそば

「ゴキブリ混入」で昨年12月から今年6月初めまで販売を中止していた即席めん『ペヤングソースやきそば』(まるか食品)が、6月時点で即席カップめん分野での国内シェア1位を獲得。それまで絶対王者だった日清食品の『カップヌードル』を抜いた。

 爆売れの要因は「市場が熱望していたから」だけではない。復活劇の要因は同社の危機管理の成功にある。すぐさま自主回収を決定し、さらには、丸橋嘉一社長が小売店へお詫び行脚を行なった。販売中止の間、社長は自ら工場に来て仕分けを率先して行ない社員を鼓舞するほか、社員の解雇も減給も行なわないなどモチベーションの維持にも努めたのだ。

 企業の危機においては、リーダーの行動が問われる。2014年7月に異物混入問題や衛生管理問題が発覚したマクドナルドは大幅減収の苦境が続いている。

 社長のサラ・カサノバ氏が事件発覚から1週間後の中間決算発表の場で「憤りを感じる」と、工場側に責任を押し付けるようなコメントをしたため物議を醸した。

 前年同月比で80%以下の全店売上高を7か月連続記録しているのは、こうした対応のまずさも無関係ではないだろう。リスク管理に詳しいリスク・ヘッジ代表の田中辰巳氏がいう。

「マクドナルドも被害者だといわんばかりの言い回しでうまくかわそう、逃げようとしたように、消費者に受け取られてしまった。まるか食品は、回収決定後は一切言い訳をしなかった。その『誠実さ』のおかげで、消費者はペヤングを応援する気持ちになれたのでしょう」

 販売再開を心待ちにしていた全日本ペヤング愛好会会長の奥山祐治氏の話。

「すぐに回収を行なったことや、異物混入をなくすために設備改修を行なったことから『もう大丈夫だ』と思えた。それにファンとしては、慣れ親しんだパッケージデザインを残そうとしたのも好印象でした」

 対応だけでなく、味も形も変えないという愚直さも好調の秘訣かもしれない。

※週刊ポスト2015年8月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
大の里の調子がイマイチ上がってこない(時事通信フォト)
《史上最速綱取りに挑む大関・大の里》序盤の難敵は“同じミレニアム世代”の叩き上げ3世力士・王鵬「大の里へのライバル心は半端ではない」の声
週刊ポスト
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎ストーカー殺人事件》「テーブルに10万円置いていきます」白井秀征容疑者を育んだ“いびつな親子関係”と目撃された“異様な執着心”「バイト先の男性客にもヤキモチ」
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
食物繊維を生かし、健全な腸内環境を保つためには、“とある菌”の存在が必要不可欠であることが明らかになった──
アボカド、ゴボウ、キウイと「◯◯」 “腸活博士”に話を聞いた記者がどっさり買い込んだ理由は…?《食物繊維摂取基準が上がった深いワケ》
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
NEWSポストセブン