コンビニパンが小さくなった?
「最近、コンビニのパンがやけに小さくなった。これは穀物価格の高騰と円安が原因だ」
「ほんとにコンビニのパンは高くなったし小さくなった。日本人痩せそう」
「コンビニの美味しいパンが目に見えて小さくなってきている。悲しいことだ」
最近、ツイッターをはじめとするSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで、こうした声が相次いでいることをご存じだろうか。
知らぬ間にコンビニエンスストアのパンが小さくなったのではないか──。噂が出始めたのは昨年4月の消費増税後で、1年経って半ば「都市伝説」のように広まっているのである。
確かに、食品業界では近年、原材料価格が上昇する一方、消費増税で家計が苦しくなっているため、大手食品メーカーを中心に、チョコレート菓子やハム、ソーセージなどで価格据え置きのまま、内容量を減らす“隠れ値上げ”が行なわれてきた。
ついに庶民の味方であるコンビニパンにまで、その手が伸びてきたということか……。しかし、コンビニ各社がパンの内容量を減らしたという報道はなく、各社のプレスリリースをくまなくチェックしても、“隠れ値上げ”の形跡は全く見当たらない。
いったいどうしたことか。
改めて、コンビニ各社に問い合わせても、どこも一様に「増税後にパンの内容量を減らしたという事実はありません」と口を揃える。では、いったいなぜそんな噂が流れているのだろうか。ローソン広報室の見方はこうだ。
「健康を気にする方や女性のお客さまが増え、様々なニーズに対応するため、3年ほど前から米の外皮を使った低糖質のブランを発売し、好評を頂いています。そういうオリジナルパンは小ぶりのものが多いので、“小さい商品が増えたかな”と思われるお客さまがいるのかもしれません」
つまり、既存の商品が小さくなったわけではなく、新商品の小さいサイズのパンが人気で目立つため、売り場を見ると全体的にパンが小さくなったように見える、というのが真相だったのだ。
※週刊ポスト2015年8月7日号