女性からモテる車を解説する「週刊ポスト」連載の「死ぬまで カーマニア宣言!」だが、今回は趣向を変えて韓国車について取り上げる。これまでにクルマを40台買ってきたフリーライター・清水草一氏(53)が、日本ではあまり見かけない韓国車のデキについて解説する。
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近ごろ日韓の関係は冷え切っている。度重なる反日政策で、嫌韓感情を抱いているご同輩も少なくなかろう。が、韓国車って実際のところどうなのか? ズバリ、悪くない。
と言っても、我々日本人が韓国車に接する機会は滅多にない。私が韓国車に乗ったのも、5年前に韓国で借りたレンタカーのヒュンダイ(現代)・エラントラ(カローラクラス)が最後。ちょっと古い情報で申し訳ないが、クルマのデキも走りも、当時のカローラに遜色なかった。
20年前に韓国を走った際は、交通マナーはメチャクチャで1日に30回は無茶な割り込みを食らい、人のクルマに無遠慮にベタベタ触ってしまいにゃ勝手にサスペンションを押すなど、文明国とは言い難い振る舞いに辟易したが、近年は「関西よりちょっと乱暴」程度にまでマナーが向上。韓国車のデキも急上昇した。
乗り味はフツーの日本車ほぼそのままだ。なにしろ韓国車は長年、日本車の代用品を目指して開発されてきた。つまり、極めて実用的で問題なく快適に走るが、趣味性はほぼ皆無というキャラクターである。
長く使っていれば、品質には多少の差は出るかもしれない。しかし海外の各種調査を見ると、その差はあくまで「多少」で、決定的な差ではない。
■清水草一:編集者を経て、フリーライターに。「自動車を明るく楽しく論じる」がモットーの53歳。現在、フェラーリ・458イタリア、BMW・335iカブリオレ、トヨタ・アクアを所有。日本文藝家協会会員。
※週刊ポスト2015年8月7日号