7月24日にスタートしたテレビ朝日系の金曜ナイトドラマ『民王』(毎週金曜日午後11時15分~)は、池井戸潤氏原作の同名小説のドラマ化作品。現職の総理大臣とお馬鹿な息子の心と体が入れ替わるというファンタジー要素の強い、痛快政治コメディーだ。遠藤憲一&菅田将暉という2人の演技派俳優がW主演を務めるこの『民王』の裏側について、プロデューサーの飯田爽さんに訊いた。
──どうして数ある池井戸潤さんの作品の中で、『民王』をドラマ化しようと思ったんですか?
飯田:実は、池井戸先生の提案と言ってもおかしくないと思うんですけど、たまたま5、6年前に、池井戸先生とお会いする機会がありました。私は単純に池井戸小説のファンだったのですが、金曜ナイトドラマを担当しているとお伝えしたら、「深夜枠だったら、『民王』とか合うかも」と半分冗談でおっしゃいまして。そこから、何度か企画していたんですが、なかなかタイミングが合わなくて、それで今回いろいろな条件もそろって、ついに実現したという感じですね。
──池井戸作品のなかでも『民王』をドラマ化するとなると、ある意味チャレンジングでもありますよね。
飯田:やっぱり、そうあらねばならないと思いますよ。見たことがあるものじゃなくて、新しいものをやっていきたいですし。特に金曜ナイト枠は、もう、10年前から、他局と違うことをやってきた枠なので。たださえドラマの視聴者が離れていっている中で、できるだけ新しいことをやって、少しでもサービスをしていかないと、視聴者がテレビに戻ってきてくれないなっていう気持ちもあります。
──脚本は『ダブル・キッチン』などのホームドラマのほか、『ケイゾク』『SPEC』なども手がけてきた西荻弓絵さんです。
飯田:『民王』っていうタイトルだけで、少し堅そうに聞こえるじゃないですか。政治を扱った作品なので当然ですが。間口を広げるにはやはりそういうイメージを一発で払拭したいという気持ちはありました。おそらく男性の脚本家を起用すると、多少政治色が強くなるような気がしたんですよ。
それだとやはり硬い印象は抜けないので、むしろホームドラマにしようと思いました。「総理大臣の親子」という形のホームドラマにすれば、家族の話も政治の話も出すことができるっていうイメージで、昔から個人的に大好きだった西荻さんにお願いしました。実は、今までもアプローチしていたんですが、実現できなくて、今回やっと書いていただけて本当に嬉しいですね。
──ちなみに、金曜ナイトドラマのメインとなる視聴者層はどういう人たちなのですか?
飯田:特に30代~40代の女性を中心に見ていただきたいと思っています。
──30代~40代の女性層に見てもらうために、なにか特別なことをしていますか?
飯田:イケメンを揃えました。草刈正雄さんもそうですし、高橋一生さんも女性人気がすごいですね。もちろん、遠藤憲一さんも菅田将暉さんも含めて、今F2層が見たいおじさんと若者が出ているので、俳優さんを見るだけでも楽しめると思います。