思いは通じてるハズなのに素直になれなくて、会えば減らず口の応酬ばかり。そしてイヤホンシェアに花火キス…「最低視聴率記録」なんていわれてるけれど、「久々の『月9』の王道ラブストーリー」「ベタすぎる展開にハマる!」「ニンマリしてる私がいた」などの声がチラホラ――。
ふとリアルに思い出すあの日の青春──。
《誰かが言った。その腕は、大切な人を抱きしめるためにあるものだ。その足は、大切な人のもとへ走るためにあるのだと。僕らが必死に手を伸ばし、全速力で向かう先には、いつだって彼女がいた――これは、僕、葵と、 もう1人の蒼井どちらかが、彼女と結婚するまでの物語》
福士蒼汰(22才)主演のドラマ『恋仲』(フジテレビ系)はそんなナレーションとともに始まった。初回は高校時代の葵(福士)が、転校生の蒼井(野村周平・21才)と出会い、幼なじみの芹沢あかり(本田翼・23才)と両思いのまま別れ、そして7年後に衝撃の再会を果たすシーンまで描かれた。視聴率は9.8%を記録。これには「月9 史上最低初回視聴率」「大コケ」などと大きく報じられてしまった。
そんな大逆風もあって、いつもなら、特にイケメン出演の新ドラマ初回放送翌日は、マシンガントークをぶちまけている女性セブン編集部・アラフォー部員たちだが、今回は声をひそめて話していた。
A子:「『恋仲』見た?」
B美:「見た!…それで、どうだった?」
A子:「…いうほど、悪くなくない?」
C代:「私も! いや、むしろ私はよかった!」
A子:「嘘!? 実はわたしも、結構キュンキュンした!」
B美:「だよねぇ~! 私も昔の恋を思い出して、ニンマリしたっていうか・・・。でも、なんで私たち、こんな小声なの?(苦笑)」
C代:「…“面白い”って堂々と言えない恥ずかしさ?(笑い)」
A子:「確かに(苦笑)。でもベタすぎるお決まりの台詞とか、展開とか、すべてお見通しなんだけど、そんなところも含めてキュンとしたわぁ」
アラフォー世代は、月9で恋愛を学んだといっても過言ではない。『東京ラブストーリー』でセックスを覚え、『101回目のプロポーズ』で無償の愛を知って、『ラブジェネレーション』ではオシャレでキャッチーなドキドキを体験した。
その世代にとって、『恋仲』で描かれた高校時代の時代設定2006~2008年は、まだ青春の余韻が残っていた頃。「あるある!」なシーンが目白押しとなったのだ。
イヤホンをシェアして聞いた銀杏BOYZ。花火大会に誰と行くかでじりじりした夏休み。葵が、あかりと仲直りした後、自転車を走らせて帰りながら「こ~い~しちゃったんだぁ~」と大声で歌うYUIの『CHE.R.RY』。気合入れて着ていった浴衣をちっとも褒めてくれない彼。そして花火が上がるなか、何も言わずキス…。
そんなシーンを見ているうちに、ついつい自分の青春の1ページに思いを馳せた女性も多いようだ。
「私は中学3年生の時につきあっていた彼を思い出しました。ちょうど体育祭の時、彼が白組の団長をしていて、私が青組の副団長。それぞれのはちまきにお互いの名前を刺繍したんです。敵同士だけど、“心はあなたのもの”みたいな…(笑い)」(34才会社員)
※女性セブン2015年8月13日号