「10年前と比べて、浮気の調査件数はほぼ倍増しましたが、それより変わったのは、調査依頼の中身」と語るのは、調査会社経営のAさん。テレビやインターネットで“浮気調査”の料金や、調査の方法を調べ、前もって妻の立場だからできることをしてから現れるのだ。
「たとえば、メールやパソコンの検索履歴を印刷するのは序の口。カーナビの走行履歴や、走行距離までメモしている人もいます」(Aさん。以下「」内同)
そのうえで、最後のトドメ。裁判にそなえて、「決定的な証拠写真を撮ってほしい」と依頼してくる。
「そのために、ご主人の勤務先で待ち伏せをして、尾行することがありますが、会社から外に出てきた時は周囲を見渡すなどして、すごく警戒していることがほとんど。すでに夫婦でかなりモメていて、自分はつけられているかもと思っているのでしょう」
しかし、その警戒も浮気相手の顔を見るまで。会った瞬間、舞い上がってイチャイチャし出して、周りがいっさい目に入らなくなるのだそうだ。その傾向は、近年、ますます増えてきている。
「昔は上司と部下など中年男性と若い女性のカップルや、金銭のやりとりのある、いわゆる愛人関係が多かったのですが、今は互いに家庭があって、年もそんなに離れていない。浮気というより“恋愛”という雰囲気が漂っています。
デートも高級店には行かないし、ファミレスでほのぼのと食事をしている。それでもふたりとも目がハート。見るからに本気なんですよ」
だからこそ、妻からの依頼はほぼ100%、離婚を前提にしたものになるのだという。
「いろんなつらい思いを通り越してきたのか、奥さまはとても冷静でドライ。こちらが証拠を押さえたら “慰謝料はいくらとれますか?”“弁護士を紹介してください”といった現実的な話がメーンになります」
まだ証拠が取り切れない妻には、「ご自身の携帯を夫の車の中に忍ばせてGPS機能をオン。そうやって行き先を調べる方法もありますよ」と、妻だからできるギリギリの戦術を伝授するとか。
「サイレントモードにしてティッシュ箱の底に入れておけば、自宅のパソコンで、ご主人の居場所を検索できます」
※女性セブン2015年8月13日号