ダイヤが非公開のため滅多にお目にかかれない幻の新幹線。その先頭車両の車体がクレーンでゆっくりと吊り上げられると、「うぉー」という歓声が湧き上がった。
静岡県浜松市のJR東海・浜松工場で、7月25日から2日間開催された「新幹線なるほど発見デー」。来場者計3万4240人のお目当ては、本邦初となる「ドクターイエロー」の車体上げ実演。車両点検のため、車輪が付いた台車部分と運転席がある車体を離す作業で、鉄道ファンのために特別公開された。
「ドクターイエロー」の正式名称は新幹線電気軌道総合試験車。約10日に1度、走行しながら新幹線の線路や電気設備の点検をする、いわば「新幹線のお医者さん」だ。映画『幸福の黄色いハンカチ』にちなみ、「見ると幸せになれる」ともいわれる。
来年は走行する「ドクターイエロー」の乗車体験をぜひ期待したい。
撮影■小倉雄一郎
※週刊ポスト2015年8月14日号