「心筋虚血」の疑いがあると診断された皇后美智子さま(80才)。6月末頃から胸の痛みを訴えられ、7月24日に心電図検査を行ったところ、今回の所見が認められた。
お体を心配する声も多いなか、戦後70年の節目となる今年、これまで以上に強い思いとともに公務をこなされてきた美智子さまだが、永らく1つの心配事を内に秘められてきた。2004年7月に宮内庁が“適応障害”と発表してから、11年にわたって療養生活を送られている雅子さまのことだ。
「美智子さまのご年齢やご体調を考えても、今後、雅子さまへ期待される役割は大きい。本格的な公務復帰への道筋が不透明ななか、なんとか雅子さまをサポートできる体制を、とずっと願われてきたのです」(宮内庁関係者)
そんな美智子さまの思いと重なるように、7月31日、雅子さまのお世話係のトップである東宮女官長に、西宮伸一元中国大使夫人の西宮幸子さん(58才)が就任することが閣議決定された。
女官長は、基本的に雅子さまのすべての公務に同行し、かつTPOに合わせて雅子さまの振る舞いやお召し物のアドバイスもするという、経験や知識を求められる重要な役回りだ。
「海外での公務もあるため、必然、外交官夫人など海外経験豊富なかたが務める傾向にあります。加えて昼夜を問わず雅子さまにお仕えするため、独身で、子供も独立しているといった暗黙の条件もあるんです」(東宮職関係者)
実際、前任の木幡清子さんは、シリア大使だった木幡昭七さんの未亡人。西宮さんの夫も、2012年に急逝している。
ところが、2011年に木幡さんが退任して以降、実に4年半もの間、東宮女官長の席は空いたままだった。皇室ジャーナリスト・神田秀一氏はこう解説する。
「女官長に4人の女官が加わった5人が雅子さまのお世話をするというのが本来の体制です。それに反して女官長のポストが4年半空席というのは異例中の異例のことでした。しかし、雅子さまのご活動自体が少なかったために、大きな支障はないままきてしまっていたのです。一方で、雅子さまが本格的に公務に復帰されるとなれば、人手が足りなくなることが容易に予想されていました。そのため喫緊の新体制が求められていたのです」
今年5月には、こどもの日の公務を両陛下から引き継がれ、7月に皇太子さまと訪問されたトンガでは、当初予定されていなかった在留邦人との懇談にも急遽出席された雅子さま。確実に快方へと向かわれている。神田氏が続ける。
「雅子さまが公務に積極的になられ、かつその雅子さまを支える女官たちの体制も整いました。美智子さまにとっても、長年の気がかりが払拭され、ご安心なさっているのではないでしょうか」
雅子さまへのサポート体制こそ、美智子さまへのサポートにつながる。
※女性セブン2015年8月20・27日号