経営者の報酬高額化が顕著だ。億を稼ぐ社長たちは「あり余るカネ」をどう使っているのか。
かつて本誌でインタビューした自動車電装品や椅子のメーカー・ユーシンの田邊耕二社長は「最近買った一番大きな買い物を教えてください」という質問に「マンション」と回答した。同氏は東京・目黒区の高級住宅街に大豪邸を所有しており、このマンションは投資用だと思われる。
他の経営者たちも自宅など不動産には、さまざまなこだわりを持っている。ソフトバンクの孫正義・社長(57)の自宅について同社関係者が語る。
「場所は東京・麻布で、900坪の敷地だけでも60億円といわれています。100人は入るんじゃないかというパーティーのできるサンルームに、訪れた人はみんな驚いています」
孫氏は2013年にカリフォルニア州シリコンバレーで購入した豪邸が1億1750万ドル(約145億円)という額だったことを現地メディアが報じ、日本でも話題となった。
ユニクロを運営するファーストリテイリングの柳井正・社長兼会長(66)の自宅は、東京・渋谷区の閑静な住宅街に位置し、「100億円御殿」と呼ばれる大豪邸だ。庭にグリーンとバンカーを備えたゴルフ練習場、テニスコートがあることで知られる。近隣住民がいう。
「外壁の高さは4メートル近く、緑に溢れていて、煉瓦造りの雰囲気は西欧の館のようです。外の通りからでも巨大なゴルフネットが見えますよ」
セガサミーホールディングスの里見治・社長兼会長(73)の邸宅は「私設美術館」のようだという。招待されたことのある財界関係者が明かす。
「場所は高級住宅地とは少し離れた東京・板橋区の閑静な住宅街です。見た目はまるで“要塞”。リビングルームに置かれている家具は数百万円するものだと聞きました。
何より凄いのが飾られている美術品の数々。シャガールの作品をはじめ、美術館も欲しがるような貴重な作品を飾っている」
※週刊ポスト2015年8月21・28日号