ビジネス

カブトエビ飼育 夏休みの自由研究として未だ人気衰えぬ理由

生きた化石「カブトエビ」

 夏休みの自由研究といえば、朝顔の観察日記や昆虫採集、ふだんは作れない大きな工作などさまざま。最近はLEDやロボット、ピカピカのどろだんごづくりも人気で時代は変わったと思わされるが、20年以上前に人気だったテーマも現役だ。たとえば、2億年以上前の姿をとどめている生きた化石「カブトエビ」の飼育がある。なぜ、カブトエビは今も教材に選ばれているのか。

 創刊90年を越える子ども向け科学雑誌『子供の科学』(誠文堂新光社)では昨年「カブトエビ飼育・観察キット」を売り出した。土舘建太郎編集長によれば「子どもたちからの反応もよく、親世代からは懐かしむ声が多い」人気教材だという。今年も夏休みの自由研究のおすすめテーマとして特設サイトで取り上げている。

「誕生から最後までを観察できる教材を探していたところ、カブトエビの卵をアメリカから輸入できることがわかりました。乾燥卵を販売していますが、そのままで2、3年保存可能で扱いやすいことから選んでいます。卵から孵化して一生を終えるのがちょうど50日くらいで、夏休みに成長記録をつけて最後まで見届けられます。教材としてもちょうどよいものなんです」(前出・土舘編集長)

 教材として販売されているカブトエビは輸入品だが、日本にもカブトエビは生息する。1916年に香川県で確認されたのが初めてで、水田の草取り虫として飼育実験が行われたこともあった。今では日本全国で確認されている。ただし、田植えの時期に水田に現れることから、発見後も長らく農家からはオタマジャクシと混同されていた。今でも6~7月ごろに水田を探すとカブトエビが泳いでいることがあるが、農薬に弱いため、薬が散布されると姿を消してしまう。

 子ども向けの教材として使われるようになったのは、1971年に学習指導要領が改訂され「水中の小さな生物」という項目が加わってからのこと。『大人の科学マガジン特別編集 科学と学習』(学研教育出版)によれば、理科の単元にあわせて付録が作成され、2年生の「池や小川の生物」単元にあわせて「カブトエビの飼育セット」が『2年の科学』1979年7月号から付録に採用された。この付録で飼育に取り組んだ大人も多いだろう。

トピックス

長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
3月末でNHKを退社し、フリーとなった中川安奈アナ(インスタグラムより)
《“元カレ写真並べる”が注目》元NHK中川安奈アナ、“送別会なし”に「NHK冷たい」の声も それでもNHKの判断が「賢明」と言えるテレビ業界のリスク事情
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
第一子誕生の大谷翔平、広告出演オファー殺到でスポンサー収入200億円突破も ベビー関連・ファミリー関連企業から熱視線、争奪戦早くも開始か 
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
金メダル級の演技(C)NHK連続テレビ小説「あんぱん」NHK総合 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
朝ドラ『あんぱん』で“韋駄天おのぶ”を演じる今田美桜の俊足秘話 「元陸上部で中学校の運動会ではリレーの選手に」、ヒロイン選考オーディションでは「走りのテスト」も
週刊ポスト
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
(撮影/田中麻以)
【高市早苗氏独占インタビュー】今だから明かせる自民党総裁選挙の裏側「ある派閥では決選投票で『男に入れろ』という指令が出ていたと聞いた」
週刊ポスト
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン