戦後70年を迎える今夏、中国・韓国の対日工作は、激しさを増している。だが、中韓で「慰安婦強制連行40万人説」が生まれるなど、新たな“嘘”も生まれている。習近平・中国国家主席はな近代虐殺の犠牲者が30万人超と主張するが、当時の南京の人口よりもこれは多い人数である。ジャーナリスト・櫻井よしこ氏と作家・井沢元彦氏が、中韓両国の欺瞞に対し、日本の採るべき道を語り合った。
井沢:「大国」の中国と比べると韓国の嘘は少し背景が異なります。韓国は日本への劣等感、妬みから歴史的事実を捏造しています。朱子学的な感覚では朝鮮半島と日本は中国を親とした兄弟で、日本を自分たちの弟と捉えてきた。しかし自分よりも下の立場であったはずの日本はG7に名を連ね、さかのぼれば日露戦争にも勝利している。そこが気に入らない。
櫻井:朴槿恵大統領も求心力を得るため、「反日」の踏み絵を踏んだ一人です。あれだけ立派で日本にも理解があった自分の父親、朴正煕元大統領を否定し、歴史を歪めました。彼女は国内の左派に操られ世論に迎合したのです。
井沢:韓国は日本への憎しみを煽ることで国民を団結させようとしています。これは大きな間違いです。いつか嘘や捏造が明らかになれば、国が崩壊してしまいますから。
櫻井:改めるべきは日本ではなく韓国の歴史認識ですね。
井沢:そうなんです。歴史的事実を捏造しておきながら日本に対して「しっかりした歴史認識を持て」と主張する。
最近よく耳にする「ウリジナル」もむちゃくちゃです。日本やアメリカの優れたものを韓国発祥だと言い出す国民性を揶揄する言葉ですが、最近は、中国に対しても儒教は韓国発祥だと言いはじめた。その一点では、日本は中国と共闘できるかもしれません(笑)。
櫻井:それはいいアイデアかもしれませんね(笑)。
井沢:中国に従属していた時代、韓国でオリジナルは嫌われました。中華という優れた文明があるから新たなものを作る必要はない、と。そんな考えが続いたから独自のものが残らずに、日本やアメリカの真似をするしかなくなっているんです。
※SAPIO2015年9月号