スポーツ

門田博光氏 「フルスイングの極意掴むまでに7年かかった」

 かつて40歳で二冠王に輝き「不惑の大砲」と呼ばれた門田博光氏(67)は、フルスイングが身上とされ、歴代3位となる567本塁打の記録を打ち立てた。最近では、柳田悠岐(ソフトバンク)をはじめとしたフルスイングで活躍する選手が目立つが、「フルスイングする選手」について門田氏は懸念があるという。それは、4、5月は体が元気なものだから本塁打を量産するが、夏場になると成績が低迷するという問題だ。門田氏が、現役選手に助言する。

 * * *
 心配なのは西武の森友哉ですね。他のフルスイングする選手とは違って上半身だけのフルスイングなので、より失速は大きいでしょう。上半身を思い切り回して途中で下半身が止まるパターン。元気な時の打ち方なんですよ。年間通じて続けようと思えば、下半身が上半身を巻き込んで回転しないといけない。ソフトバンクの柳田悠岐も打率が下がってきているが、今は辛抱してフルスイングを続けるうちに、“極意”が分かってくるはずです。
 
 僕は上背がなく(170センチ)、体格のいい外国人選手に対抗するためには、長くて重いバットをフルスイングするしかありませんでした。極意を掴むまでに7年かかりました。若い頃は、周囲の10人が10人「振ったらアカン」という時代。フルスイングしないことには要領が分からないのに、皆が邪魔していたようなもの。この僕でも鬱になりかけたほどでした。
 
 周りの連中に邪魔されることなく、自分を貫くことができたら、必ず新しい世界が見えてくる。170センチの僕だって、567本もホームランを打てたんです。そういう人間がいることにときめいて、自分らしく頑張ろうと思ってほしいです。

●かどた・ひろみつ/1948年、山口県生まれ。南海、ダイエー、オリックスで活躍。40歳で二冠王(打点、本塁打)とMVPに輝いたほか、41歳で33本塁打、42歳で31本塁打を放ち「不惑の大砲」と呼ばれた。通算567本塁打、1678打点はともに歴代3位。

※週刊ポスト2015年8月21・28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン