文化・芸術面への貢献で知られているのはオリックスの宮内義彦・元会長(79)だ。クラシック音楽好きで、新日本フィルハーモニー交響楽団の理事長として活動を応援してきた。

 ゴルフも単なる趣味にはとどまらない。キヤノン会長の御手洗冨士夫氏をはじめゴルフ好きの経営者が数多く参加するのが、毎年3月第2週に沖縄で開催される「ダイキン・オーキッド・レディス」の前日に行なわれる「プロアマ大会」だ。この大会は1995年の第8回以来、参加する各企業のトップから浄財を募り、それをもとに「オーキッドバウンティ」という基金を創設。沖縄の芸術や文化、スポーツ、教育などの振興に一役買っている。

 とはいえ、欧米に比べて日本の経営者の寄付・慈善活動は多いとはいえない。寄付控除制度の違いも大きい。アメリカ型の経営とトップ報酬の高額化が進むのなら、経営者が社会的責任を果たすことがより一層求められるが「ノブレス・オブリージュ(*)」を果たしやすくする環境づくりも今後の課題になってくるだろう。

【*フランス語で「高貴な者に伴う義務」の意。富裕層、有名人など恵まれた立場の者は、社会的責任を果たすべきとする考え方】

※週刊ポスト2015年8月21・28日号

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