使途が限定される代わりに非課税となる枠が大きく広がる得する贈与のうちのひとつ、昨年12月31日までが適用期限だった「住宅取得等資金の贈与税の非課税」制度が、2015年度税制改正で期間が2019年6月30日まで延長された。しかも、こちらは延長されただけでなく、非課税となる限度額が拡充された。
この制度は、父母や祖父母などが20歳以上の子や孫、ひ孫に対して「住宅取得のための資金」を贈与した場合に、贈与税がかからなくなるものだ。
「贈与を受けた人のその年の合計所得が2000万円以下」「贈与を受けた翌年の3月15日までに、もらった全額を使って住宅を取得、または増改築する」などの要件はあるが、子や孫であれば何人に対してでも使えるので、現預金などの財産が多い人にとっては活用メリットの大きい仕組みといえる。
さらに、今回の税制改正で非課税枠は大きく広がった。
昨年末までは一定の省エネルギー対策か耐震性能を持つ住宅の場合が「1000万円」、それ以外の住宅が「500万円」となっていたが、今年12月末までの期間限定で、前者が「1500万円」、後者が「1000万円」に拡充された。
さらに、この制度は使い途を問われない「年間110万円の贈与税非課税枠」と併用できる。今年いっぱいは省エネ等住宅取得のケースで、最大1610万円まで贈与税ゼロで援助が受けられる。