人間の生き死にが交錯する場所、それが病院──。病院では数多くの不思議な出来事が起きている。41才の主婦Gさんは、母の入院中にこんな体験をした…。
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がんで入院していた母が、ある時、私にこう言いました。「毎晩、白い服を着たひっつめ髪の看護師が首を絞めに来る」と──。
抗がん剤のせいで幻覚でも見たのだろうと信じていなかったのですが、あまりにもしつこいので、私が一晩泊まって様子を見ることに。その夜は、母のベッドの隣に簡易ベッドを設置して眠りました。
明け方のこと、ガンッ、と体に衝撃が走ったかと思うと、後ろから強い力で羽交い締めにされ、首を絞められたのです。懸命に抵抗し続けると、一瞬、何者かの力が弱まったので、その隙に起き上がってカーテンを開きました。外はすでに朝。光が部屋に差し込みました。あれほど太陽がありがたかったことはありません。
ホッとして、母の様子を見ようとしたところ、母のベッドの下に何かうごめく気配が。いやな予感がしたのですが、朝の明るい光に励まされ、思い切ってしゃがみ、下を覗き込みました。
そこには、看護師のような白衣を着たひっつめ髪の女がうずくまり、ものすごい形相で私をにらんできたんです。
あまりの恐怖に私は母のベッドにもぐりこみ、いつもの看護師が定期巡回に来るまで、母にしがみついて震えていました。その間、母は一度も目覚めることはありませんでした。
こんな病院に入院させていられないと、すぐに転院を考えたのですが、母の病状が悪く、医師に反対されました。仕方なく、病室の扉や壁に、お札をたくさん貼っておくことに。そのおかげか、白衣の女は現れなくなりました。しかし1か月後、母は亡くなってしまいました。
※女性セブン2015年9月3日号