東京未来大学・こども心理学部部長の出口保行さんへのお悩み相談コーナー。今回は、ブリっ子全開で女子から総スカンのアイドル女との付き合い方について、福岡県在住の奈津子さん(26才)の相談を受けた。
【相談】
世間からバッシングを受けながらも、凝りもせずブリッ子を続ける某局の女子アナや、ブログがたびたび炎上の勘違い元五輪選手。会社の同僚の智美も彼女たちと同じタイプで、仕事のミスはブリブリしてその場しのぎ。なのに男性社員の間で、アイドル的存在って、こういう女、どうよ!?
【解説】
同僚の智美さんのブリッ子ぶり、それにちやほやする男性陣にご立腹のようですが、ちょっと落ち着いて智美さんを分析してみましょう。
このようなタイプは、自分の見せ方や行動の中に戦略的なものがある。つまり、転んでもただでは起きない人たちです。女性はそれを敏感に嗅ぎつけるから、このタイプを嫌うのでしょう。
頭がよくて男性の心をつかむのがうまい。でも、その相手は誰でもいいわけではありません。“自分にとって有益かどうか”の鼻が利くので、有益な人だけをターゲットにします。それがあからさまだから、見ている周りの女性の癇に障るのです。
しかし、決して悪いことだけではなく、知的に優れているし、状況判断能力が高いから、その場を完全に押さえることができます。つまり、自分の世界に相手を引きずり込むことが上手な人です。それが戦略的ということにもなるのですが、仕事人としてはとても有能だともいえます。
ただ、出る杭は打たれるというか、あまりにもうまくいきすぎると「何やっているんだか」と思われたりもするのです。その“出る杭”がはっきり見えてしまうタイプなのです。
このタイプの弱点は、思惑どおりにならないと、いきなり手のひらを返すこと。これは女性だけでなく、男性も同じです。しかも、手のひらを返したら、すぐに次に媚びを売るターゲットに向かって進んでいる。そこがこのタイプのすごいところでもあり、嫌われる要因でもあるのです。しかし、やはりこれが仕事となれば、嗅覚が鋭いとなってうまくいくことも多いはずです。
【対策】
このタイプから何かを「一緒にやろうよ」と誘われたら、それが戦略かどうかをしっかり見極めることです。そのためには、ネガティブな事態が起きたとき、その人がどのような対応をするのか、よく見ておきましょう。
物事はいつもうまくいくわけではなくて、アップダウンを繰り返していくものです。アップのときだけではなく、ちょっとダウンし始めたときにどう反応するかです。これは仕事だけじゃなくて日常においても同じです。このタイプの人は下り坂に弱い。というか、下り坂のときに手のひらを返すのです。
「一緒にやろう」と誘っておきながら、その仕事がうまくいかないと思ったら、誘ってきた人のことはお構いなしに、もう、ほかに向かっている。そしてそれを問いただすと「そんなこと、したかしら?」とケロリとしているのです。
このようなことがあれば、その後の誘いも「私のことを思って誘ったんじゃなくて、自分のためでしょ?」と、疑うのは当然です。とは言っても相手の敏感なところを突いてくるわけですから、コミュニケーション能力が高いともいえます。かゆいところに手が届くということです。
そう考えると、奈津子さんのようにブリッ子を嫌うのは、ねたみもあるわけです。「あんなふうにやってみたいけど、できない」という、ひがみ、ねたみがバッシングや否定的な評価になっていないか、自分に問うてみてください。
※女性セブン2015年9月3日号