栃木出身の漫才コンビ・U字工事。テンポのいい栃木弁で近隣の県を絡めた漫才を展開し、福田が「ちゃんと謝れ!」と言った後に、益子が逆ギレ気味に「ごめんねごめんね~!」で締めるネタで根強い人気を誇る。そんな栃木ローカルに特化したスタイルが生まれたのは、意外なきっかけだった。U字工事に話を聞いた。
――栃木なまりが印象的ですけど、なまりをなくそうと思ったことはなかったんですか?
益子卓郎:漫才を始めたころは、方言はあまり気にしていませんでした。「なまってるね」と言われていたんですけど、なまりを売りにしていなかったんです。そもそも、なまってるという感覚がなかったので。でも、浅草キッドさんにネタを見てもらった時に、「ガンガンなまりを出したほうがいい」ってアドバイスをもらってから、意識するようになりました。
福田薫:それから、テレビのネタ見せとかで受かるようになったんですよ。
益子:漫才も、それまでは栃木ネタはあまりなかったんです。でも田舎らしい、軽トラックとか牛とかトラクターとか、そういう要素をいっぱい出して、方言で自然でやるとウケやすくなるのに気づいたんです。キャラクターが必要ということですかね。
福田:それまでのネタは、テーマを決めて“テレビ見た?”という感じで話を広げていく感じで、普通の話題ばかりでした。
益子:今はネタを作ろうとしたら、「田舎っぽいのどこに入れる?」とか、栃木のいいところを出そうと考えますけど。当時はただ、ボケを考えるという感じで。浅草キッドさんのおかげで、田舎キャラを出せばいいんだって気づけたんですね。方言を出してやるって、格好悪いなとか、初めはそういうのがあったのかもしれないですね。
福田:尊敬していた浅草キッドさんにアドバイスをいただいたので、素直に受け入れることができたんですよね。そうじゃなかったら、「ぼくら、そういうんじゃないよな」って、まだ方向性が定まっていなかったかもしれないです。
――浅草キッドさんに言われたのはいつですか?