韓国が世界に広げている嘘の中でもここ数年で特に暴走しているのが、他国の文化を何でも「我が国発祥」とする主張だ。韓国語の「ウリ(我々)」をもじって“ウリジナル”活動と揶揄されている彼らの珍説を、在韓ジャーナリストの藤原修平氏が再検証する。
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「ソメイヨシノは韓国の自生種である」。今年4月の韓国地方紙『漢拏日報』に、韓国国立山林科学院・温帯山林研究所所長のこんなコメントが掲載された。済州島の漢拏山付近に自生する「王桜」こそがソメイヨシノだとする説で、韓国文化財庁も「ソメイヨシノは韓国が起源の桜」と主張している。
だが、そもそもソメイヨシノは日本原産種のエドヒガン系の桜とオオシマザクラの交雑種で、江戸時代後半に人工的に作出されたという説が有力だ。遺伝子的に日本原産種がもとになっているのだから、韓国で自生するソメイヨシノが発祥であるはずがない。
だが、彼らにかかれば姿かたちが似ているものはすべて「我が国が元祖」となってしまう。ウリ(我々)がオリジナル(起源)だと主張するウリジナル活動はとどまるところを知らないのだ。
日本伝統の茶道についても「韓国では1100年の歴史があり、日本の茶道は500年にしか過ぎない」、「1000年前の新羅の時代の礼法がほとんどそのまま日本に取り入れられた」と胸を張る。だが、韓国茶道で用いられる急須は、抹茶を使用する日本茶道には見られない茶具だ。韓国独自の茶道があったにせよ、日本茶道が影響を受けた痕跡はどこにも見当たらない。
日本統治時代に韓国に持ち込まれた剣道は、ハングル読みのコムドと名を変え韓国のオリジナル文化となった。当然、道具も構えも日本の剣道と瓜二つだが、大韓剣道会は「コムドは新羅に起源をもつ世界最古の剣法」と主張している。
相撲についても「本流は韓国相撲のシルム」と言って憚らない。しかし、日本では古墳時代の出土品に力士の埴輪があり、古事記や日本書紀にも相撲の記述が登場するほどの歴史がある。もっとも、相撲に似た格闘技は古くからモンゴルや中国にも存在しており、その起源を特定することはできない。それでも彼らは同じようなスポーツをしていればすべて「韓国起源」にしてしまうのだ。
※SAPIO2015年9月号