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ヘイトスピーチ問題に取り組む著者がネット私刑の闇に迫る書

【書籍紹介】『ネット私刑(リンチ)』安田浩一/扶桑社新書/821円

 事件の犯人やその家族の個人情報をネットで拡散する行為を、ネット私刑と呼ぶ。

 大津のいじめ自殺や川崎の中学1年生殺害事件では、未成年なのに加害者の実名や顔写真が公開された。しかも無関係の人物が、加害者や家族として批判されることも起こったのだ。

 著者は、正義を実行しているのだから何をしても許されるという歪んだ感情があるため、ネット私刑が横行すると指摘する。誰が加害者になっても、被害者になってもおかしくなくネットの危うさや歪みがよくわかる。

※女性セブン2015年9月3日号

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