4月のマスターズで5位に食い込み、今年最後のメジャー大会「全米プロ選手権」でメジャー初優勝の期待がかかっていた松山英樹(23)は、最終日に74を叩き、通算3アンダーの37位で終わった。
ホールアウト後、松山はこう話した。
「優勝するためにはまだレベルの差がある」
その「差」とはどこにあるのか。プロゴルファーの沼沢聖一氏はこう見る。
「2日目くらいからティーショットを右に曲げるようになったり、ここ一番のパットが入らなかったりといった問題はありました。ただそれよりも、彼はメンタル面の切り替えの悪さに一番の課題がありますね」
日本人選手の中では比較的メンタルの強さが評価されていた松山だが、メジャーで勝つには「まだ足りない」という。
「トラブルになると引きずってしまう。3日目の15番でバンカーに入れたトラブルで、トリプルボギーを叩いた後も引きずってしまった。
特に最終日の3連続ボギーはいただけない。メジャーではボギーを打たないゴルフをするのが鉄則。ボギーはそれでも出ますが、連続で打たないことが大切なんです。3連続ボギーを叩くゴルファーにメジャーで勝つ資格はない。100%無理です」(沼沢氏)
だが厳しい言葉は期待の裏返しでもある。沼沢氏はこうエールを送った。
「日本人でメジャーに一番近い男であることは紛れもない事実なんですから、もっと自信を持って“俺以外に強い者はいない”くらいの意気込みを見せてほしい。メジャーで勝つのはそうした強気の言動を見せる者です。メジャーに出る選手はもう技術云々というよりも気持ちの戦いになる。日本人ならではの奥ゆかしさを捨てて、もっと執着心を持って戦ってほしい」
誰もが日本人初の快挙達成の日を待ちわびている。
※週刊ポスト2015年9月4日号