60代の約6割にED(勃起障害)が認められるというデータもあるほど、EDは多くのシニアにとって切実な悩みである。
EDは陰茎海綿体動脈の硬化により、血流が悪くなることで引き起こされる。その改善策の代表的な存在といえば、バイアグラなどの内服薬。だが、バイアグラは1錠1500円前後と高額なのがネックだった。
昨年5月、東和薬品から厚生労働省の認可を得た国内初のバイアグラのジェネリック薬品『シルデナフィルOD錠50mgVI「トーワ」』が発売された。これにより、勃起薬はより購入しやすくなった。新宿ウエストクリニックの室田英明院長がいう。
「ジェネリックが発売されて以降、病院を訪れるEDの新規患者数は2割以上増えました。ジェネリックを選択される方が急激に増え、現在では、先発品のバイアグラ15%に対しジェネリック85%の割合です」
有効成分などは同じで1錠1000円。レモンとコーヒーの風味があり口の中で溶けるトローチタイプなので、服用時に水が不要なのも支持される理由だという。
「バイアグラのジェネリックは現在、複数の製薬会社から発売されています。うちのクリニックでは7月からテバ製薬の『シルデナフィル錠50mgVI「テバ」』を扱い始めました。
これは1錠900円。水と一緒に服用するタイプですが、今後主流になる可能性が高い」(室田院長)
ただ、一般的に内服薬で効果を実感できるのは8割程度といわれている。糖尿病患者や心筋梗塞などの虚血性心疾患者の場合、処方される内服薬との飲み合わせが悪く、服用できない場合もある。
※週刊ポスト2015年9月4日号