日曜朝の人気番組『サンデージャポン(以下、サンジャポ)』(TBS系系)と『ワイドナショー』(フジテレビ系)。爆笑問題(太田光・田中裕二)に松本人志と、大物お笑い芸人が仕切るこの番組。それぞれファンがつき、どちらの方がおもしろいか激論が交わされている。
もちろん好みはあるけれど、どちらにもそれぞれの面白さがある――そんな意見が続くなか、「私は“100対0”で『サンジャポ』派」と断言するのは、テレビ評論家の今井舞さんだ。
「まず、生放送の良さがある。朝のワイドショーは基本、生放送ですが、あんなふうに大勢がゲストとして出演している生放送はなかなかないし、『サンジャポ』的世界観が構築されているところがすごい。タブーにもどんどん切り込んでいき、それをも笑いにできてしまう。だから、あそこで起きることはわりと何でも許されるんです。
太田さんの奥さんがVTRで出てきて、自分の名前を冠したワインを見せながら『今年もいいワインができました』って言うと、ワイプに太田さんのしらけた顔がずっと映し出されたり。こんなブラックな笑いも面白い」
かたや『ワイドナショー』については、
「録画だし、必ずネットニュースで書かれているので、それを読むだけで事足りますよね」(今井さん)
と手厳しい。
コラムニストの辛酸なめ子さんも「シニカルさが癖になる」という理由で『サンジャポ』派だとか。
「北千住の駅のホームの標識が『北干住』になっていたとか、気になっているニュースを毎回取り上げてくれるところが好きですね。“足立区のレディ・ガガ”と呼ばれているオバサンに意見を聞いたり、濃いキャラクターの人が出ているところが面白い。杉村太蔵の、何か言って突っ込まれる軽い感じも癒されます。西川史子さん、テリー伊藤さん、デーブ・スペクターさんとの会話のチームプレーも安定感がありますね。
あと、太田さんが“玉”のところで必ず田中さんにツッコミを入れる。『二子玉川』が出てくると『玉が1つしかない』とか。そういうお約束のやりとりも楽しいんです。アイドルのスピード離婚や、上西小百合議員のおかしさとか、一般視聴者が興味を持つ下衆な部分を、うまく大人のエンターテインメントにしているのが人気の秘密だと思います」
※女性セブン2015年9月10日号