女性の加入者が増えている「医療・がん保険」だが、本当に必要なのだろうか。まず知っておきたいのは、がん保険の宣伝でよく耳にする「日本人の2人に1人はがんになる」という文句にはマジックがあることだ。
たしかに一生涯で考えると半数以上ががんになるが、60才になるまで、がんになる可能性は必ずしも高いとはいえない。
女性が60才までにがんと診断される確率は11%で、80才でも29%だ。男性の場合でも60才までは8%と低く、80才で41%。90才、100才まで生きて5割に達する。
つまり、がんが心配ならば高齢者になってから保険をかければいいのだが、もちろん保険料もハネ上がる。
また、「がんの治療費は高い」というイメージが強いが、若くしてがんを患っても経済的な負担は思ったほどかからないケースが多い。
アフラックが2011年、がん未経験者を対象に、治療費に食事代や交通費などを含めた「がん治療全般にかかわる費用はいくらぐらいか」を聞いたところ、半数以上が「300万円程度」ないし「300万円より多い」と予測した。
ところが、実際にがん治療を経験した人の約7割は「50万円程度」ないし「100万円程度」と回答した。
女性セブンの試算でも、5大がんの治療費の自己負担額は最も安い胃がんで14万円、最も高い乳がんでも92万円に収まった。現在、多くのがん治療は100万円以内でまかなえるのだ。
※女性セブン2015年9月10日号