10月放送開始予定の『相棒 season14』(テレビ朝日系)。水谷豊(63)演じる杉下右京の“4代目相棒”は誰になるのか、前シーズン終了後からファンの間では予想が始まっていたが、7月に発表されたのは反町隆史(41)だった。発表前には織田裕二(47)や仲間由紀恵(35)、斎藤工(34)などの名前も浮上していたが、スケジュールや水谷との相性などを考慮した結果、最終的に反町が抜擢されたといわれている。
過去の3人の相棒はいずれも警察官だったが、今回反町が演じる冠城亘(かぶらぎ・わたる)は法務省のキャリア官僚。『相棒 season14』の公式ホームページによれば、冠城は現場に興味があるとの理由で警視庁に出向してきた変わり種で、法務事務次官を後ろ盾に少々の無茶も通してしまうキャラクターだという。クールで頭脳明晰、とも。
反町といえば、1998年放送の代表作『GTO』(フジテレビ系)のように、熱血人間、お調子者の役を演じることが多かった。今回のようなクールな頭脳派というイメージはないが、ドラマ評論家の成馬零一さんによれば、近年は役の幅が広がっており、新たな一面を見せる可能性もあるという。
「歳を重ねていい意味で落ち着いて、大人の演技ができる役者さんになったと思います。今年NHKの土曜ドラマで放送された『限界集落株式会社』でも、情けない父親役で主演を務め、人間味あふれるいい演技をしていました。新しい『相棒』は、初代の寺脇康文さん(53)のような人情味あるキャラになるのではないかと予想していたのでキャリア官僚とは意外でしたが、若いころの激しい演技と、近年の抑えた演技の間でバランスを取りながら、反町さんが新境地を見せてくれるのではないかと期待しています」
反町がこれほど注目されるのは、歌にドラマに大活躍だった20代の頃以来かもしれない。最近でも単発ドラマではたびたび主演を務めているが、民放の連ドラとなると、2011年放送の『グッドライフ~ありがとう、パパ。さよなら~』(フジテレビ系)を最後に主演からは遠ざかっている。『相棒』出演で、反町の再ブレイクはあるのか?
「吉田栄作さんが似たような経歴をたどっています。若い頃に熱血タイプでブレイクして、その後しばらくは表舞台からは遠ざかりましたが、今また、渋い役者さんとして注目されています。反町さんは吉田さんよりも若い。それに、まだまだ“主演の顔”をしています。これからは歳相応の演技をしていくと思いますが、『相棒』で成功を収めれば、また民放ドラマの主演級として復活する可能性もあると思います」
ネット上では、「反町が相棒なら見てみたい」という声も多い。一部では「仲間由紀恵が5代目に抜擢されるまでのつなぎ役」とも囁かれているが、もっと大きな仕事に期待したい。