橋田壽賀子(90才)が女性セブンのインタビューで、昨年から「終活ノート」をつけ、終い支度をはじめたことを明らかにした。そして、墓についてもはっきりこう言う。
「主人のお墓は静岡の霊園にあります。でも、私は両親が眠る愛媛県今治市のお寺のお墓に入ります」
かつて墓といえば、「〇〇家之墓」という形が一般的で、墓は子孫が継ぎ、嫁いだ嫁は夫が継承した墓に入るのが通例だ。「終活」という言葉が生まれ、墓への考えも多様化しているが、橋田さんが夫と別の墓に入るという選択をしたのはなぜなのか?
「私は亡き姑から、“壽賀子はうちの墓にはいれない”とはっきり宣告されていたからです。最後まで嫁として認められていなかったのかと思うと、悲しくもあり、残念でもありますが、あの世でもややこしい姑とその親族からいじめられたくなかったから、むしろ渡りに船だったのかもしれませんね(笑い)」(橋田さん)
夫と同じ墓を拒む理由は、橋田さんのように嫁姑問題のケースもあれば、そもそも夫との不仲や、遠く離れた夫の地元に骨をうずめるくらいなら、勝手知ったるなじみ深い土地に新しい墓を作りたいと思う人もいる。
日本葬式アカデミー代表で葬祭カウンセラーの二村祐輔さんはこう語る。
「嫁ぎ先のお墓に入ることが当たり前のように考えられてきましたが、特に法律で決められているわけでもなく、希望するお墓が自分のお骨を受け入れてくれさえすればOKなんですが、これが意外に難しい。
正式な遺言書に要望を明記しても、祭祀(位牌や仏壇、お墓など)承継に関してはあくまでも故人の『希望』という扱いです。希望を実行してもらうためには、生前からお金や墓守の問題を解決して遺された家族の負担を軽くした上で、身近な人に自分がどんなお墓の形を望んでいるかを表明し、周囲のコンセンサスをとる必要があるのです」
また最近では、分骨し、それぞれのお骨を両家のお墓に入れるケースもあるが、橋田さんはこれを否定する。
「分骨はよくないと聞いたので、夫婦が一緒になれるお墓を静岡に購入して、そこにはお骨の代わりにふたりの記念品を入れようと思っています。主人が愛した時計と、主人から贈られた私の大切な時計です。それで仲よく収まるつもりです」(橋田さん)
※女性セブン2015年9月10日号