今年6月22日…全国を悲しいニュースが駆けめぐった。
――たま駅長、逝く。
2007年に和歌山県・貴志駅の駅長に就任した三毛猫のたま駅長は、その愛くるしさで大人気に。一時は存続が危ぶまれるほどだった貴志川線に大勢の観光客がやって来るようになったが、残念ながら16才で惜しまれつつこの世を去った…。
「でも、いつまでも泣いてばかりはいられません! これからはわたしが頑張らなくっちゃ」
そう張り切るのは、8月11日に“たま2世駅長”に昇進した三毛猫の通称ニタマ。5年前、国道沿いで泥まみれになってさまよっているところを保護された彼女は、たまと同じ三毛だったことから駅長見習いに。以来、高齢のたまを支えてきた。
「たま駅長直々の指導を受けたことと、これまで駅長代行を務めてきたことが認められて、たま2世に抜擢されたんです」
たま亡きあと、しばらくは悲しみに沈んでいた貴志駅。しかし、ゴージャス美人の新駅長を迎え、以前にも増して観光客が押し寄せている。
「たま駅長の夢は、全国の動物駅長を集めて“駅長サミット”をすることだったんです。いつか実現するといいなぁ」
ウルトラ駅長・たまが敷いてくれたレールの上を、今度はスーパー駅長の彼女が先頭になって突っ走っていくことだろう。
【プロフィール】
名前:たま2世(愛称:ニタマ)♀
年齢:5歳
種類:猫
勤務先:両備グループ・和歌山電鐵
職種:貴志駅・駅長
主な仕事内容:貴志駅で乗り降りするお客さまを、名誉永久駅長のたま大明神と共に見守る。
お給料: 特にないが、小嶋社長がたま駅長およびニタマ駅長のことを書いた本の印税や講演の謝礼で、生活全般をまかなってもらっている。
好きなこと: お客さまや駅員に撫でてもらうこと。
嫌いなこと:爪切り。しかし身だしなみも業務の一環なので、頑張って克服しつつある。
現在の悩み:偉大な先輩、たま駅長亡きあと和歌山電鐵を担っていけるかちょっと心配。
将来の夢:和歌山電鐵・貴志川線が、地域のかたがたにずっと愛してもらえるように力を尽くしたい。
※女性セブン2015年9月10日号