近頃は、薄毛治療も格段に進歩しており、CMなどでは『AGA』治療という言葉を耳にすることも多い。では、『AGA』治療とはいったいどんなものなのだろうか?
そもそも「AGA」とは「男性型脱毛症」のこと。薄毛治療を専門に行う銀座HSクリニック院長の北嶋渉さんが解説する。
「成人男性に発症する進行性の脱毛症のことで、前頭部や頭頂部の毛が一定のパターンで薄くなります。一般的にM字型といわれるのは前頭部が薄くなるパターンで、O字型は頭頂部が薄くなるもの。日本人男性の約3割が発症するといわれており、男性の薄毛のおよそ95%はAGAが原因です」(北嶋さん。以下「」同)。
そもそも、薄毛は本当に治るのだろうか?
「男性ホルモン・テストステロンが、細胞内で特定の酵素の働きによってジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンに変化すると、それが発毛を抑制する大きな原因となります。つまり、DHTの発生を抑えれば、AGAは食い止められることがわかっています。この原因を踏まえてAGA専門の治療を行えば、薄毛は改善します。効果は人によって異なりますが、3か月くらいで発毛する人が多いですね」
多くの育毛治療クリニックで採用されている治療は、有効成分ミノキシジルを配合した育毛剤と、AGA治療ののみ薬『プロペシア』の処方。
「ミノキシジルと、プロペシアに含まれる有効成分フィナステリドは、日本皮膚科学会のガイドラインで効果が認められているので、科学的根拠のある治療といえます。そのほか、細胞自体の活性を促す成長因子を配合した調剤を皮下に注入する最新治療『ノーニードルメソセラピー』などを組み合わせることで、効果を高めることができます」
治療の期間はどれくらいなのだろうか。
「症状にもよりますが、最初の1年ほどは育毛剤とのみ薬に加え、『ノーニードルメソセラピー』などを併用するなど積極的な治療に取り組むといいでしょう。クリニックには2週間~1か月に1回のペースで通い、発毛した後は、育毛剤とのみ薬を続ける必要があります」
“薄毛の薬をのむとEDになる”──そんな噂もあるが、果たして本当なのか。
「そういった噂がたちましたが、AGA治療で使用する『プロペシア』というフィナステリドの内服薬は、男性ホルモンに直接作用するものではありません。製薬会社の副作用の報告に1~2%程度のED発症がありますが、明らかな因果関係が立証されているわけではなく、世界約90か国で使用されている、安全な薬といえます」
ズバリ薄毛治療の費用はどれくらい?
「自由診療なので、基本的に保険は使えません。当院の場合だと、1か月でプロペシアなどの内服薬が4212円から、外用薬(育毛剤)が1万8360円から。そのほか、初診料は3240円、再診料は2160円です」
※女性セブン2015年9月17日号