再婚によって血のつながらない親子が寄り添い、新たな家庭をつくっていく“ステップファミリー”。日本ではまだまだ知られていない言葉だが、アメリカではごく普通に使われる言葉だ。親子関係にとまどい、悩むことも多いなか、それを乗り越えて幸せをつかんだ家族の絆の築き方とは。
女性をサポートする人材コンサルティング会社『ジョヤンテ』社長の川崎貴子さん(43才)は、現夫(35才)、長女(10才)、次女(3才)の4人家族。
「現在の夫と知り合ったのは、前の夫と離婚して1年ほど経った頃。半年つきあったのちに1年半ほど同棲して再婚しました」(川崎貴子さん。以下「」内同)
つきあい始めた当時は籍を入れなくてもいいと思っていたそうだが、現夫から「内縁関係よりも正式に家族になりたい」と言われたことで、入籍に踏み切った。
「出会った当初から娘(長女)が夫に懐いていたので、つきあうことには躊躇しませんでした」
再婚の決め手は、自分にはない性質を現夫が持っていることに気づいたから。
「もしかしたら私は、自分に合う伴侶のタイプを間違えていたのではないかな、と気づいたのです」
現夫は愛情にあふれ、家庭的で子煩悩。当時は職業がら、家にいることが多かったので、家事や娘の面倒をよく見てくれていた。
「娘の体調の変化にいち早く気づくのも彼のほうでした。料理もどんどん上達して、私たちとできるだけ一緒に過ごそうと、とても努力をしてくれたと思います」
1年ほど前、血液検査がきっかけで、長女に現夫と血縁がないことを話すことに。
「長女はショックを受けていましたが、“お父さんは本当の娘だと思っているから”と言われたことで、ホッとしたようです。一緒に過ごす濃密な時間が、私たちを本当の家族にしてくれたんだと思います」
愛は学ぶもの。それをいちばん教えてくれたのは離婚だった。
「私自身、離婚したことでさまざまな学びを得ましたし、女性をサポートする人材コンサルティング会社の社長という立場上、たくさんの女性の相談を受けてきました」
ついには、愛の学び方を1冊の本にまとめ、自分たち家族について、世間に堂々と公表できるまでに。自らの経験が、少しでも同じ境遇の家族の参考になれば、と話す。
※女性セブン2015年9月17日号