ファッションプロデューサーの植松晃士氏が正しいオバサンの生き方を論じる等コーナー。今回は、パンダの懐妊事情を語ります。
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皆さま、ご機嫌よう。9月に入ったというのに、お暑うございます。今回は上野のパンダの話題から。3年ほど前、上野動物園で生まれたパンダの赤ちゃんが生後6日で死んでしまうという悲しいニュースがありました。
その後はお見合いもうまくいかなかったようで、いよいよこの秋は本格的に人工授精を試みるそうです。
このニュースを聞いて私が真っ先に思い浮かべたのは、和歌山県のアドベンチャーワールドのパンダ・永明(えいめい・以下「永ちゃん」)のことです。永ちゃんは1992年生まれの22才。パンダの年齢を人間に例えると、だいたい3倍らしいので、現在69才相当。“アラコキ”ということになります。
彼って、すごいんですよ。何がすごいって最初のお嫁さんとの間に6頭、義理の姉との間に1頭、そして義理の娘との間に7頭。合計14頭の父親なのです。
パンダはものすごくえり好みが激しくて、気に入らない相手だとそばにも寄せつけないそう。人間の女性の結婚観でいえば、身長とか年収とか容姿とか性格などを考慮してるのでしょうか。
とにかくお見合いをしても、ご結婚までの確率がとても低いんですって。たとえお見合いが成功しても、♀パンダの発情期は1年のうちたったの3日間。人間が年中無休なのを考えると、いかにご懐妊のタイミングが難しいかわかろうというものです。永ちゃんはその3日間を見分ける能力が、並外れて優れているんですね。
もしあなたに1年のうちもっともご主人のご機嫌のいい、奇跡の3日間を見分ける能力があったら、きっと無敵です。さらに、飼育員さんによると、「交尾になると攻撃的にメスに仕掛けるオスもいますが、永明はとにかく優しく接します」とのこと。
さすが、熟年の余裕ですね。女心を知り尽くしています。彼は現在、“世界で10本の指に入る子づくり上手”といわれているそうですが、私からは「パンダ界一のプレイボーイ」という称号をお贈りします。
こうなったら、いつか必ず和歌山のアドベンチャーワールドに行って永ちゃんのご尊顔を拝見しないといけませんね。
※女性セブン2015年9月17日号