国際的で優秀な人間に育ってほしいと、子供をインターナショナルスクールに入学させたいという親は少なくないだろう。しかし、インターはお金がかかる。幼稚園から高校まで15年間インターへ通うと費用は3000万円を超す。小学校から高校までオール公立だった場合と比べて5倍以上の出費である。
とはいえ、その豪華な施設と、文科省認定外ゆえの自由な教育方針が、芸能人を含め、多くのセレブママを魅了しているのはいうまでもない。
たとえば、1902年に東京初のインターとして開校した『アメリカンスクール・イン・ジャパン』は、東京ドーム1.5個分の広大な敷地に2つのグラウンドと3つの体育館、6面のテニスコート、570人収容の劇場を完備する。
「小学生から1人1台のノートパソコンを支給され、教室には備え付けの3Dプリンタまであります。ロボットの製作や、自作の動画をユーチューブにアップする授業など、日本の学校では考えられないカリキュラムばかりです」(保護者の1人)
1997年に設立された新興のインター『東京インターナショナルスクール』では、算数以外は教科書を一切使わない。音楽の授業では、生徒が“仮想会社”を立ち上げてホームページを作成し、その会社の社歌をパソコンで作曲するという手の込みようだ。
ユニークなカリキュラムに加えて、サービスも至れり尽くせりだという。都内のある名門インターに息子を通わせる母親が語る。
「毎日手作りのオーガニック弁当が給食として出ます。ピアノや水泳、体操など園内で習いごともできます。夕方5時以降のアフター預かりもあるし、もちろんバス送迎も完備。英語が得意ではない親のために、週2回、園内で英会話教室まで開いてくれるんです」
一方、新興インターの中には、費用が年間70万~80万円程度のところもある。
「うちは経済的にも普通の一般家庭なので、リーズナブルなインターを選びました。英語への入り口としてはいいのですが、授業はみんなで英語の歌を合唱するなどお遊戯のレベルで…。日本語で話してしまうこともあるようで、正直、英会話ができるようになる感じではありません(苦笑)」(保護者の1人)
さらに近年は、インターナショナルの格付けに異変が起きているという。
「3.11の後に外国人が一斉に帰国してしまい、定員割れして経営が成り立たなくなる老舗インターが出てきたんです。そういうインターは、代わりに、両親が英語を話せなくてもいいと日本人の子供を多く受け入れたんですが、結果的に生徒の学力レベルが大幅にダウンしてしまいました」(お受験塾関係者)
今やインター間の格差は広がる一方だという。
「一部の名門インターはブランド化して、希望者が殺到しています。日本の学校のように明確な難易度リストがあるわけではないので、インターに入ってみないと実情はなかなかわかりません。だからこそ、途中から別のインターに転校させる親も少なくないんです」(インターに息子を通わせる母親)
※女性セブン2015年9月17日号