【書籍紹介】『フォアビート・ノスタルジー』/石原慎太郎/文藝春秋/1500円+税
建築家の辰野は昔よく通った店の主の通夜で当時の仲間と再会する。それは、かつて仲間の誰もが憧れ、一度は辰野と結ばれながらもその元を去った久美子との思い出を否応無く蘇らせた。〈あれはいかなる形の愛なんぞではなしに、今となればなるほどまさしく恋そのものだった〉。その久美子が男たちの前に現われ、辰野は仲間の意味深な助言から封印していた疑念を解こうとする……。70年代、男と女の愛の形、男の友情などを描いた純愛小説。
※週刊ポスト2015年9月18日号