野田聖子議員(55才)は9月3日、キャップをかぶり、保育園バッグを首からさげる長男・真輝くん(4才)の写真をブログにアップした。写真には《登園初日。緊張気味なムスコさん》という言葉が添えられている。
4年半前、卵子提供による50才での高齢出産だった。心臓などに疾患を抱えて生まれた真輝くんは出生直後から全身にチューブを繋がれていた。生後1年で手術7回。ブログやドキュメンタリー番組で報告される、あまりに壮絶な闘病の様子に、「一生退院はできないのではないか」と心配する声もあがっていた。また一方で野田氏は「子供を見世物にするな」「高齢出産はエゴ」などという批判にも晒されてきた。
その真輝くんが保育園に通い始めた。元気な笑顔で“気をつけ”をする姿は世の母親たちの感動を呼んだ。
「真輝くんは2年3か月にわたる入院生活を乗り越え、今は自宅で暮らしています。脳梗塞の後遺症の半身まひからも回復し、3才半で歩けるようにもなった。食事が胃ろうであったり不便なこともありますが、この9月、ようやく受け入れてくれる保育園も見つかりました。息子が登園する姿は今何よりも野田さんの背中を押す力になっていると思いますよ」(知人)
自民党総裁選への出馬が取り沙汰された野田氏だったが、最終的には断念することとなった。野田氏と親しい政治ジャーナリストはこう話す。
「長い自民党の歴史では、党内に意見が異なる派閥の激しい対立があったから議論が活発に行われて、政策も磨かれてきました。しかし、今は安倍路線を批判する勢力がないので政策が深まらないどころか、もし間違った政策を取ってしまっても誰も止められない。みんなそれがわかっていても、安倍(晋三)氏が怖くて手をあげられる人はいない。結局は彼女だけです。野田さんはそれをわかった上で、党内で『反安倍のリーダー』となるために立候補を目指しました」
野田氏は立候補に必要な20人の自民党議員の推薦を集めることができなかった。
「総裁選で選挙を行えば、安保法案の審議や採決が滞ります。だから、安倍首相周辺は野田氏を支持しないように徹底的に党内を締めつけました」(前出・全国紙記者)
無謀な闘いとわかっていても野田氏の決意が揺らぐことはなかった。
「保育園に通い始めた息子の姿を見て、決意はさらに固まったようです。また、野田さんは7月に父親が亡くなっています。それまで野田さんは出産・子育てもあって“女性としての生き方”“女性の共感を得る行き方”を大切にしてきたが、真輝くんの成長や父親の死を目の当たりにしたことで、“政治家として何をすべきか”ということに強く目が向くようになっているのではないかと思います」(前出・ジャーナリスト)
その目線の先には「初の女性総理」がある。
《1日1日の命を必死で生きているムスコさんは、鉄母の良きメンターであり、永遠のライバル。ゆえに、ノダも今を必死で生きます!》(ブログより)
愛息が背中を押している今、彼女が止まることはない。
※女性セブン2015年9月25日号