NHK連続テレビ小説『まれ』が思うように視聴率を伸ばせないのは、タイトルに「ん」が入っていないから――そんな声がテレビ関係者の間でささやかれている。
今年3月30日から始まった『まれ』。序盤は好調だった。第1週の平均視聴率は20.6%、第2週は21.0%の平均視聴率でスタート。しかし、その後は、20%を超えたのは13週(20.1%)と22週(20.3%)の2週だけだった。
直近4作品は連続で全話の平均視聴率が20%を超えており、『まれ』の低迷ぶりが目立つ。そして、その4作品にはすべてタイトルに「ん」が入っている。『マッサン』、『花子とアン』、『ごちそうさん』、『あまちゃん』だ。そんなことから、「朝ドラはタイトルに『ん』が入っていればヒットする」と言われているのだ。
「最近の番組のタイトルの傾向として、短くて、テンポのいいものが求められる傾向にある。4作のタイトルに関しても、『ん』がつくことで、テンポが出ている。『まれ』というのはちょっとゴロがよくなかった、というのはあるかもしれません」(放送作家)
もちろん、『まれ』がタイトルに「ん」が入っていないことが視聴率に大きな影響を与えたと単純には考えにくい。最近では、内容の迷走ぶりがネットで話題になっているからだ。まれが妊娠、双子を出産したと思ったら、翌週には「あれから7年後」と子供が小学生になっていたり、経営がうまくいっていなかったケーキ店がいつのまにか地元の人気店になっていたり、内容そのものへの疑問の声が多いのも確か。
とはいえ、これだけ低迷が続くと「もっとひねりのあるタイトルで話題作りをしてもよかったのでは? それこそ5作連続で『ん』が入っていればそれだけで話題になったはず」(前出・放送作家)という声も出ている。
もちろん、「ん」が入ってなくてもヒットした朝ドラは多いし、「ん」が入っても視聴率が伸びなかった作品もあるので、一概には言えないが、最近の5作品ではこの法則がしっかり成立してしまった格好だ。
ちなみに平均視聴率52.6%、最高視聴率62.9%を記録した、朝ドラ最大のヒット作『おしん』は、「ん」で終わっている。
逆に、歴代ワースト視聴率の朝ドラは2009年の前期、平均視聴率13.5%の『ウェルかめ』。同ランキング2位は同じく2009年後期に放送され、平均視聴率13.8%にとどまった『つばさ』だ。いずれもタイトルに「ん」は入っていない。
次の朝ドラのタイトルは『あさが来た』。さぁ、この法則を覆せるのか。