9月上旬、シャンパンに関する記者発表で6月以来公の場に姿を見せた川島なお美(54才)。3か月間という短い間での激やせぶりに心配の声が挙がっている。川島は、昨年1月に行われた肝内胆管がんの手術を受けた。その後再発などは報告されていないが、体重は30kg台前半にまで落ちた。川島の代名詞だったワインもずっと断っている状態だという。
過去にも川島さながらの女優がいた。
名脇役としてならした深浦加奈子さん(享年48)は胆管がんに侵されながらも女優業を優先。全身にがんが転移した後も、死ぬ間際までがんを隠して演技を続け、2008年8月、椅子に座りながら絶命した。
乳がんを患った田中好子さん(享年55)は抗がん剤の副作用で髪の毛が抜け落ち、やせ衰えて、かつらの着用を公にしながらも芸能活動を続け、2011年4月に亡くなった。
樹木希林(72才)もまた、全身がんに侵されながら、手術や抗がん剤治療を拒否して活動を続けている。がんが発覚して以降、「ジタバタしなくても勝手に死ぬ」という諦念を持って人生を歩んでいる。
医学が進歩し、がん治療の選択肢が増えた現在、川島や樹木のように、従来の医学的治療を拒否する人も増えている。
元慶応大学医学部専任講師の近藤誠氏は、「抗がん剤は効かない」「がんは放置しておくべき」という独自の理論をメディアで展開し、著作は軒並み大ベストセラーになっている。
今では乳がん患者の6割が乳房の全摘出手術をしない乳房温存療法を希望するという。
医学博士の狭間研至氏(医療法人大鵬会千本病院の院長代行)が語る。
「近年の研究や治療法の進歩によって、がんの状態に応じて、手術や抗がん剤、放射線治療を適切に選択できる時代になってきました。場合によっては緩和療法へとシフトする状況もでてきます。
免疫療法という新しい選択肢もでてきていますが、抗がん剤や放射線治療は副作用へのフォローをきちんとすれば、予後が期待できる場合も増えてきています。セカンドオピニオンも一般的になりましたので、主治医とよく相談しながら、患者が自分なりにいちばん良いと思う治療法を選ぶことが、なによりも大事なことです」
抗がん剤などの副作用に苦しみ、いたずらに「生活の質(QOL=クオリティー・オブ・ライフ)」を下げるのではなく、QOLの向上のための最善策を医者と相談して患者自身が決める──そんな時代にあって、「治療しない」こともまた、それを選んだ患者にとっては1つの“闘病”なのかもしれない。
川島のブログを見ると、このひと月は、友人とお気にいりのビストロに行ったり、愛犬と近所を散歩したり、夫との居酒屋デートを楽しんだりと、日常生活を満喫する姿が印象的だ。
行きつけの都内イタリアンでは、こんな目撃情報もある。
「川島さんは今も女友達や仕事仲間とよく来て、お食事されていますよ。ワインは飲まれていませんが、香りだけを楽しむことはあります。たしかに傍目にもはっきりわかるほどやせてしまって、最初は心配でした。でも、ほかならぬ川島さん自身が、いつも本当に明るいんです。この前も堂々と露出の多いワンピースで来ていましたしね(笑い)。深刻な雰囲気はまったくありません」(店員の一人)
※女性セブン2015年10月3日号