北関東・東北を襲った記録的な大豪雨。特に鬼怒川の決壊は全国民に衝撃を与えた。死者数7名、避難住民5600人を出したこの大災害だが、気になるのは、何がどこまで補償されるかだ。
「家財保険」では、基本的に住居内の生活用品すべてが補償されるが、それだけに限らず、屋外に置いてある自転車や原動機付自転車も含まれるという。ファイナンシャルプランナーの清水香さんはこう語る。
「例えば、洪水で自転車が流されたといった場合には、火災保険でカバーできますが、大型のバイクや自動車は対象外。別に自動車(車両)保険に入っておく必要があります。ですが、125cc以下の『原動機付自転車』の場合は自転車扱いなので、火災保険で補償されるのです」
一方、判断が分かれるグレーゾーンなものもある。その最たるものがペットだと、同じくファイナンシャルプランナー竹下さくらさんは言う。
「自動車保険では、ペットへの損害を“対物”としていますが、火災保険では生き物であるペットが家財として補償される可能性は低い。保険会社に確認をしておきましょう」
また、ガーデニングを趣味にしている人の場合、庭に植えられた花などは、それ自体に市場価値がないため補償されないことが多いという。しかし、趣味の範囲でも盆栽のようなものはカバーされることもあるので、こちらも保険会社に確認したほうがよさそうだ。
「建物」も「家財」もしっかり保険に入って、もう心配はない…とはならない。「家財」の中には保険会社に事前申請が必要なものがある。
「1点30万円を超える貴金属や宝石、絵画といった美術品は、契約時に保険会社へ申請し、『明記物件』とする必要があります。この申請をしていなければ、原則補償の対象外になります」(ファイナンシャルプランナー・平野雅章氏)
大切なダイヤの結婚指輪などは必ず申請しておこう。一方、同じ高級な品だとしても、ブランド物のバッグや時計などは「明記物件」としていなくても、実際に所有していたことが確認されればカバーされる場合が多い。
「ただ、ダイヤがちりばめられた時計といった場合には宝石の価値が認められるので、申請していなければ補償されない可能性があります」(平野氏)
ちなみに貴重品とはいえ、盗難被害の場合を除いて、現金は家財に含まれない。どんなに大金でも、水に流されたたんす預金やへそくりは戻ってこないのだ。
※女性セブン2015年10月3日号