9月3日に抗日戦争勝利70周年記念の軍事パレードが行われたが、政治的に最も注目されたのは江沢民元国家主席や胡錦濤元主席ら、中国共産党政治局常務委員経験者の長老指導者が一斉に姿を見せたことだ。
そのなかでも、米国に拠点を置く中国情報専門の華字ニュースサイトなどで重病説や危篤説が出ていた李鵬元首相も姿を見せ、天安門楼上で自力で立つ姿を見せ健在ぶりを示すなど、ネット上では「強精剤の注射を打ってきたのでは」などとの書き込みがみられている。
習近平主席が展開する反腐敗運動に批判的で、親族が身柄を拘束されたとの情報が飛び交っていた江沢民氏や曾慶紅元副主席らも元気な姿を見せており、一部で事前に報じられた「パレード欠席」説を見事に覆してみせた。
さらに、江沢民氏は習氏と談笑する余裕を見せるなど、ツーショットの映像もテレビで流れるほどで、その映像からは、噂されている確執などは微塵も見られなかった。
また、160人以上が死亡し、12人が不明、700人以上が負傷するという天津市の化学薬品大爆発があったばかりだけに、天津市出身の李瑞環元政治協商会議主席や温家宝元首相も注目されたが、とりたてて特異な点はなかった。
しかし、ネット上では、爆発が起きた直後に、李氏や温氏はやはり天津市の最高幹部を経験した張高麗・党政治局常務委員に直接電話をかけて、消火活動や救援態勢を万全にするよう指示するなど健在ぶりを示したとの情報が飛び交っていた。
張高麗氏は事故発生当日の8月12日から13日にかけて、「23回も天津市トップの黄興国・天津市党委書記代理に電話をかけて、消火活動などを指示した」との情報が「小道消息(口コミ)」で市民の間に流れていた。
今回の軍事パレードにおける長老指導者の登場は、このように時期的にも、政治的にも見所が満載で、極めて注目された一大イベントだったともいえそうだ。