安倍首相の無投票再選で存在感がなくなる一方の現職政治家を尻目に、元気すぎるくらい元気なのが“引退”したはずの面々だ。
島村宜伸・元農水相(81)、久間章生・元防衛相(74)、不破哲三・元共産党中央委員会議長ら議席を持たないが一家言持つ重鎮のセンセイ方は、安保法案の賛否をめぐり古巣の政界へ「喝!」を入れている。
羽田孜・元首相(80)も脳梗塞を患い2012年に引退したが、今年8月には安保法案に反対する提言を発表。
秘書が口述筆記した内容には、〈海外派兵を認める集団的自衛権は、絶対に認められない〉とある。息子の羽田雄一郎・参院議員が語る。
「都内で母と一緒にリハビリを続けながら暮らしています。二大政党を目指して自民党から外に出た父からすれば、同志だった人の中に自民党に戻った人もいるわけです。
その人たちが総理に何もいえず迎合している状況への思いが、提言に表われていると思います。私も、『民主党もしっかりしろ』といわれています」
※週刊ポスト2015年9月25日・10月2日号