現在、不妊治療では女性は産婦人科を受診し、男性は泌尿器科で対応している。不妊の原因は男女半々なので、同時に検査を行なうことで、その後の治療計画も立てやすい。
そこで、獨協医科大学越谷病院では今年からリプロダクションセンターを新たに設立した。不妊治療専門の産婦人科医と、泌尿器科医と夫婦の4人が一緒になって男女それぞれの検査から妊娠・出産に向けての治療方針など、総合的にコンサルティングを行なう。獨協医科大学越谷病院副院長で泌尿器科の岡田弘主任教授が語る。
「最近は60歳を過ぎても子供を望む男性や、夫が年下の40歳を超える女性でも不妊治療を望む例が多くなっています。現実には40歳以上の顕微授精で、子供が生まれる確率は5%以下です。やはり妊娠には適齢期があるので、できるだけ早く夫婦一緒に治療を始めることが大切です」
センターでは、大学病院ならではの規模と環境を活かし、最新の検査機器や治療法を提供している。また、がん治療前の卵子や精子の凍結保存などにも対応可能だ。妊娠に成功した場合は、そのまま同じ病院で出産までのケアも受けられる。この秋からは会社帰りに夫婦って受診できるように診療時間を午後7時まで延長する予定。妊活は夫婦一緒に早めに、がポイントだ。
(取材・構成/岩城レイ子)
※週刊ポスト2015年9月25日・10月2日号