大粒の雨が降りしきる9月17日、皇太子ご夫妻は、都内目黒区と港区にある水災害軽減のためのデータを収集、解析する研究所や下水処理施設を視察された。
「屋外の設備もあり足元が悪い中での見学となりましたが、それでも雅子さまは時折笑顔を浮かべながら、興味深そうに見て回られていました。また、“下水道管の中での作業は大変ですね”と、作業員を労うようなご感想も述べられました」(皇室記者)
当初、この視察は皇太子さまおひとりでの予定だったが、お出ましの数時間前になって急きょ雅子さまも同行されることが決まったという。
「宮内庁からは“妃殿下は地球環境にご関心が高い”との説明がありました。これまで雅子さまが、予定されていた公務を直前になって欠席されることはありましたが、最近は突然お出ましとなることが増えてきたようです。それだけ、体調が安定され、公務に前向きになられているということなのでしょう」(前出・皇室記者)
今年7月、2年ぶりの海外公務でトンガを訪問された際も、予定になかった在留邦人との懇談に出席された雅子さま。帰国後も、ご一家で戦争関連の資料が展示されている昭和館(千代田区)を見学され、その後の須崎御用邸(静岡県)や那須御用邸(栃木県)でのご静養の際も沿道に集まった人々に満面の笑みで応えられるなど、着実なご快復ぶりが感じられる。
そんなご様子から、公務への完全復帰の期待も高まるが、その一方で、関係者の間では一抹の不安が囁かれていた。
「ここ数年、雅子さまは7~8月の夏はお出ましになる機会が多くなり、快復に向かわれているといわれるのですが、秋になるとまた元に戻られ、ほとんどお姿をお見せになられない状況が繰り返されていたのです。夏にお出ましが増える理由は夏休みにお取りになる長期ご静養に対して、“公務は休まれるのに、私的なご静養を取るのはいかがなものか?”という批判の声を、公務に出られることで少しでもやわらげるためとされ、雅子さまの公務の“夏の方程式”とも捉えられていました」(別の皇室記者)
そのため、秋に入って再び公務を控えられるのではないかと不安視されていた。しかし、今年は大きく様子が違う。9月に入ってからも雅子さまは冒頭のように予定外のお出ましをされるなど、積極的に公務に臨まれている。
雅子さまのご体調とお気持ちに大きな変化をもたらした理由の1つは、長女・愛子さまのご成長にあるだろう。
「不規則登校を繰り返し、定期テストを欠席されることもあった昨年に比べると、愛子さまの状況は大幅に改善されました。学業にも前向きに取り組まれ、充実した学校生活を送られてます。加えて、最近の愛子さまからは、皇族としてのご自覚が確実に芽生えていることが感じられます。例えば昭和館や日比谷図書館で開かれていた戦争関連の展示を訪問されては、真剣なまなざしで資料を食い入るように見つめ、積極的に質問もされていました。“子育て”が一段落したことが、雅子さまに大きな安堵をもたらしたのでしょう」(宮内庁関係者)
2つ目の理由は、4年半にもわたって空席のままだった雅子さまのお世話係のトップである東宮女官長に、元中国大使夫人の西宮幸子さん(58才)が就任したことだろう。
「雅子さまは西宮さんと良好な関係を築かれているようで、ご静養で那須どうぶつ王国を訪れた際には、笑顔で談笑するお姿もお見せになりました。ご体調が一進一退を続ける雅子さまは、公務の最中に不調に襲われたら、という不安を抱えられていたと思います。それが、女官長就任でサポート体制が整ったことで、安心して公務に邁進できる環境ができあがったのです」(前出・宮内庁関係者)
※女性セブン2015年10月8日号