NHK連続テレビ小説『まれ』が終わり、9月28日から『あさが来た』が始まる。50年以上の朝ドラの歴史のなかで初めて幕末の「ちょんまげドラマ」を描く。
ヒロイン・あさ(波瑠)は京都の豪商の次女で、良妻賢母を目指す姉とは対照的な、お転婆な娘として育つ。成長し、大阪の両替商の次男と結婚をするも、時代は明治に突入。両替商は時代遅れの商売となり倒産寸前の危機に。心機一転、炭坑の経営に乗り出すが、男社会ではあさの奮闘はなかなか認められない。
しかし、大阪の発展に尽くす師との出会いを機に、銀行経営そして日本初の女子大の設立にも挑むドラマティックなストーリーだ。
『あさが来た』のエグゼクティブ・プロデューサーの佐野元彦さんは、宮崎あおい(29才)主演の『篤姫』(2008年)など大河ドラマも手掛けている。朝ドラも大河も長期間にわたって、1人の人物にスポットを当てる物語だが、そこには大きな違いがあるという。
「大河の面白さは、百戦錬磨の俳優同士が真っ向からぶつかり合う。そのやり取りが面白い。一方の朝ドラは、ヒロインを出演者やスタッフが半年間、見守って育てていく。1人のヒロインのためにみんなが力を結集するんです。
ヒロインは文字通り年を重ねていきますし、それを演じる女優さん自身も1回り、2回りと女優として人間として大きくなっていく。そんな“2人”の成長が見られる。特に女性視聴者の場合、自分の人生に重ね合わせられる。だから、朝ドラはこれだけ長く続いているのだろうと思います」(佐野さん)
同作で主人公の良き理解者・お付きの「うめ」役を演じる友近(42才)はこう語る。
「朝ドラは『芋たこなんきん』(2006年)に続いて、2回目の出演になります。今回は、とてもたくさん出番もいただいています。でも難しく考えるのはやめました。その時その時の感情を大事にうめをやります!
朝ドラに出るとみなさんに言うと、『おお! すごいじゃん』ってなるんです。そうしたときに、やっぱり国民的ドラマだと思いますね。撮影のためにNHKに行くと、ロビーで『おしん』など過去の朝ドラが流れているんです。このシリーズに出演するんですから、われながらすごいと思いますよね(笑い)」
また、主人公・あさを演じる波瑠(24才)はこう意気込みを語る。
「あさの成長と同じように、私も一緒に成長しながら頑張っていきたいと思っています。あさちゃんはあさちゃん、私は私で頑張っていきます。あさに支えられて、いろんなことを勉強させてもらって、近くに寄り添って一緒に走っています」
その表情は明るく、順調に撮影が進んでいる充実感と大役を任された責任感が全身から伝わってきた。
※女性セブン2015年10月8日号